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作業の様子を見る
ヤマハC3Bの作業まとめ
修理の前に
オーバーホールのC3Bが開梱されたので、お客様のお家にお伺いする前に一度、調律を行いました。

こちらのピアノは、今まで数十年、別のお方が調律されてきたピアノなので、『はじまめして』のピアノです。
修理に入る前に、『よろしくお願いいたします』の気持ちで、一度、調律してみて、いろいろと確認しました。

はじめまして、からのオーバーホールで、ちょっとピリッとしながら調律です。
というのも、パッと見ても謎な状態な部分が多くて。
その確認でも早く調律したかったのですが、元々なされている作業が、意味のあるものか微妙でした。
逆に、すっごい変なわけではないようで、ただ単に正しくないだけで、少しほっとしました。
ヤマハC3Bの裏のそうじを行いました。
カビも全くなくて、G的なものも一切なく、支柱の上のホコリなど、裏全体をきれいにしました。

中はちょっと、ほんとならいますぐにでも、とりあえず掃除だけだもしたい状態ですが、ものには順序がありますから、まずは裏を。
立てた状態でもやりたかったけど、皆さん、今年も月末に吹奏楽コンクールの全国大会に出場するので、なかなか予定があわず、ピアノの下に潜り込んで、寝そべっての作業です。
とにかく裏はきれいだとお伝えしたい気持ちで、写真をとりました。
先生、裏は、きれいです!!
こちらも、ひととおり本体を磨いて、張弦、ダンパー貼替、ハンマー交換、鍵盤関係、アクションの修理などを行います。
先生が大学生の時からのピアノで、ご結婚されて、ご主人様を支えながら、子育てもし、たくさんのお弟子さんも育てられ、ずっと人生を共にしてこられたご自身の一部でもあるピアノを、今回、今までの調律師さんからかえて、このような大きな修理をまかせてくださることとなって、一層身が引き締まります。
明るくて、とてもつつましやかな先生で、数人でにぎやかにお話させていただいているとき、誰かと話すタイミングが一緒になると、すっと聞き手に回られて、そのような細やかなお気遣いを見習いたくおもう、素敵な先生です。そんな先生が、ピアノで自由に歌うことができるよう、先生の意図を再現できるピアノに戻せるよう、精いっぱい頑張ります!
外装クリーニング
まずは大屋根を外して、裏側から。

購入されてから、磨きたくても難しいところですので、全体的に、曇っています。

ポリッシャーやコンパウンドを変えながら、

全体を磨きました。

大屋根を開けて高音側は、傷もおおかったので、念入りにみがきました。
表側も、

きれいになりました◎
もともと、カバーをお使いになっていなかったのに、それにしてはほとんどがポリッシャーで消せる傷で、きっと先生だけでなく、お弟子さん方も、ピアノを丁寧に扱ってこられたのだろうな、と思いました。
そして、本体の磨きに。
細々したところも、

擦り傷など、ポリッシャーで消せる範囲で

磨いていきました。
本体を一周、磨きました。
ですが、まったく伝わる写真がとれず、実際の方がきれいなので、いつでも見に来てください!
今日はこれで終ろうと思ったのですが、

昨日から、艶消しになった譜面台が気になっていて、ちょっと大変そうだけど、チャレンジしたくなって、パーツも磨くことにしました!

半分磨いてみました。

がんばって、鏡面仕上げになりました!
ポリッシャーのみで、ペーパーはかけてないのですが、先生、きれいになったって、喜んでくださるといいな♪顔が映りますよ!
ヤマハC3Bの大屋根の金属パーツも磨きます。
変形なので、ちょっと大変です。
ペダルも磨きます。
よくある感じでくすんでいるので、

軸受けの部品と、朽ちてしまったゴムも新しくして、

フェルトも貼替て、ペダルの磨きが終りました。
張弦
弦を外すに、念ため一日修理の作業ができる日にしたかったので、やっと作業が進められます。
お引き取りの段階で、本格的な作業は11月だろうと思い、先生にもお伝えしていたのですが、気がかりだったのです。

本体は磨き終わっていたので、
ダンパーを外します。

先生が気にされていた『ぶにゃん』といって音が止まりきらない止音不良のダンパーです。
前のお方が治しきれず、全くアレで相当苦労の後がみられました。治して差し上げたかあった前のお方のお気持ちが感じられました。
他にも、フェルトの硬化して止音が悪いものが多く、これは張り替えないと、どうにもならないので、後程貼替ていきます。

早速全体の張力を緩めて、

巻線を取り除きます。念のため、順番に。
弦そのものはそんなに錆びていなかったけど、チューニングピンにまきつけてあるあたりは結構錆びていて、弦をチューニングピンから外そうとすると、そこで切れたものも数本あって、弦自体もすごく頑張ってたんだな、お疲れ様でした。という気持ちになりました。限界まで頑張った弦です。

弦の番手が無くなってしまっているので、マイクロメーターで測定しながら、弦を外していきます。

うっかりがあってはならないので、ピリピリしましたが、無事に弦を取り除きました。
一人の作業なので、ダブルチェックできないので、とにかく慎重に。。
弦圧も大丈夫そう!

チューニングピンを取り外していきます。
ピン板に植わっている部分、おもったより錆びていました。
このピアノは、今後の使われ方や様々な理由で、響板も鉄骨も、クリーニングしてからそのまま弦を張っていくので、どうすればよりきれいにできるか、そんなことを考えていたら、

あっという間にすべてのチューニングピンを取り除いていました。
朝は寒かったので、長袖の作業着で、失敗しました。もう冬が近いのに、汗だくです。

ピンブロックも取り除きました。
ここからは、フェルトのことや、アグラフのこと、全体をきれいにしていきます。
お引き取りしてきたとき、低音にだけ、テフロン?的な雰囲気の白い粉があって、恐る恐る調律したけど、何も問題なかったので、普通にきれいにしていきます。

まずはアグラフを磨きます。
今、やっと一本張りのところが終わったところです。コツコツ、ひたすらコツコツ。終わり見えず。。
帰宅の時間になったので、今日はここまででした。
そして、昨日から作業しているC3Bのアグラフも磨きました。

昨日は一本張りまで磨いたので、

低音セクションを仕上げました!元の輝きの戻ったのではないでしょうか。
フレームフェルトもきれいに取り除きました◎
弦の圧力のためか、フレームフェルト(ブッシング)には弦で穴が開いてしまっていて、弦が鉄骨にも食い込んでいたようです。鉄骨、痛かろうに。。これならしっかり新しいものを貼り付けられそうです。
『これ、うちのグランド~♡?』って、先生がびっくりしてよろこんでくださるよう、すっごい時間もかかるけど、現状から少しでもきれいな状態にするために、アグラフチャレンジは、まだまだ続きます!

巻線もくるので、今日、とにかくアグラフだけはみがきたかったので、しゃかりき、コツコツ頑張りました。

やっぱりものすごく時間がかかってしまって、調律にお伺いする時間も迫ってきたので、アグラフを磨くのみとなってしまいました。。
元あった枕のフェルトまではきれいにできなかったのですが、周りとか、少しづつ全体もきれいにしていきます!
アグラフは磨き終わっていたので、ピン回りなど、手前から作業していくことにしました。
古い弦枕のフェルトや鉄骨そのものの汚れをできるだけきれいにしていきます。

全体的に明るくなりました!

アリコートも、外して、一つ一つ、磨きます。

ヒッチピンや、駒、駒ピン、フレームボルトや鉄骨そのものなど、弦があると磨きにくい部分も、コツコツ作業を進めます。

金属部分が光り出すと、更に明るい印象になってきました!
アグラフやヒッチピン磨きは、ほんとにコツコツ地道な作業で、こういう作業は、誰かのために、喜んで頂きたいからできる作業で、明るく優しい先生に喜んでいただきたい、と思えばこそできることだな、と思いました。
そして、何がって、ヒッチピンやアグラフは時間はかかってもきれいにはできるし、結果として見えやすいけど、鉄骨をきれいにする方がもっと大変で、ちょっとまだもう一歩、きれいにしたいところです。鉄骨や響板はそのままなので、やれることも限りがあるし、やりすぎると変な感じになると思うのですが、知恵を振り絞って、きれいにしていきますね!
あとは低音側も磨いていって、ほかの下準備もして、月内には張弦したいと思っています。

残っていた低音部のヒッチピンや駒ピン磨きを行いました。
やっと、できるかぎり汚れが落とせました。
作業前が↓で、

作業後が↓です。

くすんだ感じが、明るくなりました!

ピンブロックを打ち込みました。

チューニングピンに適した穴を開けていって、

フレームフェルトも貼り終えました。
後は、手前の弦枕のフェルトを貼ったり、裁断したら、張弦できる状態となります。
早朝など、できうる時間の全てを注ぎ込んでも、あと少し、が、いつも足らなくて、きっとご心配をおかけしているように思います。てきとうに出来なくて、時間がかかってしまって、申し訳ありません。。
でも、ようやく準備の終わりが見えてきました!
脱弦する時に弦が切れてしまうほど限界だったので、新しくきれいに弦を張った状態を見ていただきたいです!あと少し!
ヤマハC3Bの張弦準備です。

弦枕のフェルトなど、準備して、張弦ができる状態となりました。
ドイツ製のチューニングピンを使用します。

ピアノの周りを行ったり来たり、途中、弦が足りなくなるかも、と、ヒヤヒヤしながらも、中音を張り終えて、フェルトを編み込みます。

巻線の下になるので、ちゃんと一本ずつ上下に編めているか、恥ずかしいほど確認しました。

今日は中音と低音しか張れず、仕上げながらとはいえ、まだまだなので、遠巻きの画像です。
残りを張って、きれいに仕上げていきます!

次高音と高音を張ったので、

弦を張ることは終わりました。
だいたい合わせてはいますが、チッピングを繰り返しながら、巻口をはじめ、いろいろなところを合わせていきます。
まだまだすぎて、やりたいこと、合わせたいところが、盛沢山で、完了はまだ先です。

今日は低音を仕上げました。コキ上げが上がってよかったです。
しばらくは、すぐに音が下がるだろうから、こまめにチッピングをしていきます。
腰的にも、手的にも、震えておばあちゃんみたいになってきたので、まだ仕上げられてなくて、一気にやりたいところですが、今日はここまでとなりました。
またしばらくは、お客様のお家にお伺いするので、セクションごととかになっても、仕上ていきます。
巻線を張っていると、特に最低音に近づくにつれて、芯線が太くなって、硬くて。
よく切れるワイヤーカッターで、アップライトの時は、最低音も余裕で片手でカットできたのに、さすがにグランドは片手では難しかったです。
特に右腕は利き腕で、修理で重たいハンマーも使うので、お客様に、『腕、がっしりですね~』とか言われることもあって、ちょっと誇らしかったりするのですが、握力はもう少し鍛えた方が、よりよいのではないか、と思いました。握力ってあの、ギュウギュウ握る器具以外で、鍛える方法って、あるのですかね?
パワー不足で、ピアノが持ち上げられたら、と、よく思うのですが、『工夫』と、『鍛える』、と、それでも難しいことは、手を貸していただきながら、『できない』を『できる』に変えられるよう、日々、頑張っていってます!
一昨日、昨日で、仕上げの前段階というか、コキ上げしたり、コキ下げ、巻口を大体合わせて、チッピングをして…と、どんどん合わせるポイントを絞っていきます。
ずっとやってると、アレ?何回やっても変わらない…みたいになって、見失ったりしながら、今日も全体をチッピングをして、仕上げました。
低音です。

中音です。
次高音です。

高音です。
自分の仕事が客観的に見て、どうかわからないし、恥ずかしい仕事なのかもしれませんが、今の私の全力の作業です。
作業前や作業中だけでなく、一番肝心なのは作業後の結果で、それをお客様に見ていただくためのブログなので、先生がみて、『きれいな弦になってる♡いい音がしそう!』と思ってくださるといいな。
張っているときは、まさに夢中というか、それ以外のことを考えられなくなって、とにかく集中して張って、仕上げは、話しかけられても気が付かないくらい過集中していても、どこか一歩引いたところから、客観的に見るようにしています。のめり込みすぎないように。やっていると、目線が上がっていて、あって無いところに目がいくようです。
『仕上がった』というのは、技術者の采配で、張った弦を、私は、自分がこれ以上は合わせられない、と思うところまで向き合うのですが、その張る弦を、どこまできっちりに張れるか、そして、見えたものを合わせたいように合わせる技術も、この先の永遠の課題となりそうです。
自分の理想の張弦は、師匠の張弦なので、神がかり的でまだまだ遠くて、最低限はクリアしているとして、全音域で、ヤマハのオリジナルよりきれいに張れるようになるのが、一番近い目標です。
最近の調律のお客様がヤマハの新しいグランドやアップライトだったので、お伺いの時、観察したりもしました。一台張るごとに、『こうしたらいいかも』とか、前にご助言いただいていたことの意味を体感したり発見の連続です。そういうのは、楽器を吹いていた時にも似ていて、熱中して本気でやる感じが、いまでも仕事で感じられます。腰もくだけそうで、クタクタなのに、また張りたい、もっときれいに張れるようになりたい、と、作業が終ってもそう思うので、生涯、突き詰めていきたい作業のようです。
今回も、一台事故なく張り終えることができました。

先生、いつでも見にいらしてくださいね◎
弦を張って仕上げるまで、予約の時間さえも忘れる感じになってしまって、ご飯も簡単なものになってしまうので、今日は一汁三菜的なご飯に、土鍋ご飯で、おなかいっぱいです。安堵もあって、今日は早めにぐっすり眠れそうです。
筬関係 (バランス・フロントパンチングクロス交換点、キーバックレールクロス貼替)
そして、ヤマハC3Bの作業にはいるために、一度、筬、掃除しました。
本当は、もっとはやくに掃除だけでもしたかったのですが、お見積りの段階から、気持ちの重たくなる状態で。

かなり弾きこまれてきたことの伺えるアクションです。

スティックも多く、ローラーも消耗が激しいので、シャンクアセンブリーを交換して、ハンマー交換します。

筬はこの状態でした。
前任の調律師さんは、何十年と先生の調律をされてきて、もうかなりのご年配だったようです。
何年掃除してないかとか、そんなことより、先生がこの状態を知ることで、悲しい気持ちになることが容易に想像できたので、私は気持ちが重たかったのです。
お客様に、自分のさせて頂いた作業を包み隠さず報告する意味でのブログですから、載せないわけにもいかず、これをご覧になった時の先生のお気持ちを想うと、胸がいたくて、お見積りの時の先生の困ったような、悲しいお顔がちらついて、怒りとかよりも、先生が悲しくなることが悲しくて、でも、悲しいのは先生です。
そう、いかん、私が凹んでいる場合じゃないのです。
逆に、『悲しい状態→めっちゃきれい!』の方が、『そこそこきれい→めっちゃきれい!』より、変化がわかりやすくて、先生の喜びも増すに違いない!
謎のポジティブ変換で、ソッコー回復して、とにかく、私ができることで、先生に喜んで頂いて、それでいいと思います!一旦、掃除しましょう!

とりあえず、ホコリとかきれいにしておいきました。
ずっとホコリだらけなことが気がかりだったので、気持ち共々、すっきりです♪
注文中のドイツ製のフロントパンチングがきたら、虫食いのキーバックレールクロスや、バランス・フロントのパンチングなど、早々に交換して、リセットしたいと思います!
何がそんなに気になったかというと、鍵盤筬で、お正月のうちに作業を進めるのに、工房に鍵盤と筬をもってかえって来ていたのですが、ピアノをお預かりして、こんな感じだって、掃除はしたけど、まだクロスが虫食いなのが見えてしまって、なんとなく、このまま年を越したくなくて、筬関係のクロスの交換をしました。

掃除する前、こんな感じで虫食いを発見しました。裏を食べがちのようです。。

古いクロスを取り除きました。
接着剤が思っていたのと違ったので、ちょっと時間がかかりました。そして、木部をささくれだたせないよう、気を使いました。

元のクロスの厚みと同じようになるよう、貼り換えました。

バランスパンチングも、

フロントパンチングも、微妙に虫食いです。
そして、やっぱり裏にあたる部分の方が、虫食いがちでした。

キーピンもピカピカに磨いて、パンチングクロスを新しくしました!
フロントはドイツ製の高級なものにしました♪

クロスはすべて新しくなりました!
昨晩は、別の作業を少しするつもりだったけど、ずっときれいにしたかったので、これで心置きなく新年を迎えられます。
アクション関係 (シャンクレストクッションフェルト交換)

ウイッペン関係の修理から始めました。

ジャックやウイッペンのセンターピンをチェックしながら、ほこりをきれいにして、くたびれたシャンクレストフェルト(白いやつ)を交換します。

なにげに接着ががっちりで、しかも何をやっても簡単に取れず、コツコツ地道に取り除くしかない模様です。。

単純故に、粗も目立つので、まっすぐ直線に貼り付けるのが、難しかったです。
きれいにするのに時間がかかって、あまり時間もとれず、高音・次高音の貼替で終りました。
工房では、ヤマハC3Bの作業の続きを行いました。

日が暮れてやっと終わったので、ちょっと暗いですが、直線を意識して貼り付け終わりました。
ハンマー交換
仕事を終えて、自宅にいると、C3Bのハンマーシャンクが届きました!

ハンマー交換こそだいぶ先ですが、このご時世で、使用するものは決まっているので、先に注文させていただきました。
若社長さんに、機種を伝えただけで、『C3Bはこれ以外ありえないから!』とすぐに送ってくださり、ありがとうございました!
新しいパーツ、見てるだけで幸せです🎶新品の香りがします。

夜に、今治市・ヤマハYUAと、ヤマハC3Bのハンマーヘッドが届きました!
植えるのはだいぶ先ですが、輸入部品の卸会社のお方と、各々の修理の事情を相談のもと、決めたハンマーヘッドなので、作業が今から楽しみです。

シャンクを新しくするシャンクです。
ハンマー交換の前に、取り付けていきます。
走りをしっかり見ないと、きれいなハンマー植えができないので、自分が走りを見つけられなくなるまで、意地悪な人になって、作業します。
良い仕事をするには、本物の仕事を見ることと、自分に一番意地悪でいなくてはならないと思っています。私は大雑把で、たいてい何でもオールオッケーな人間なので、仕事だけは、ダメなところとしっかり向き合っていくと決めてます。
よいハンマー植えのため、しっかり走りを見ていきます。
ヤマハC3Bのハンマー交換を行いました。

この状態だったハンマーとシャンクを新しくします。

ドイツのアベル社製のハンマーを使用します。ナチュラルフェルトという、極力化学処理をしていないもので、普通のものより、ちょっと高級なものです。
ハンマー植えが終りました。

打弦点のラインは、一直線になったと思います。捻じれも、いまのところ、修正なしです。
植えた後で、コテなどで修正すると、戻ってしまうので、シャンクを取り付けるところから、かなりしっかり、というか、走りがないよう、下準備の方が時間がかかってしまいます。
植えるときは、集中はするけれど、時間はかけられないので、かなり神経を集中させて作業しました。
修正するということは、負荷をかけることなので、なるべくそうならないよう、植えて修正がないのが、一番自然で一番よいのですが、簡単なことではなく、ほんとに難しい作業です。
前にやったのはいつだったか…なかなか大きな修理で、頻度も少ないです。
でも、その間に、様々な修理をして、目線や工夫の方法も、前の段階から成長したところもあります。
そのうえでも、やはり毎回『ここをさらにこうするには』という自分への課題も生まれます。
しなくていい苦労はしなくていい、と、以前、師匠がお忙しい中、治具を造って送ってくださり、そのこと自体、普通あり得ないことで、常にとても重たく受け止めていて、でも、そのおかげできれいにハンマーが植えられました。
でも、同じ治具をつかっても、当たり前ですが、まだ師匠のように完璧ではないところもあって、目線が上がって、初めて気が付くこともあって、今の自分で、最大限の作業をして、最低ラインはクリアして、きれいに植えられて、その先の目指す完璧な作業へは、ハンマー交換だけでなく、日々の身近な修理も積み重ねて、見えたものを合わせたいように合わせる技術と、見える目線も育てていかなくてはなりません。
身近な修理の積み重ねが大きな修理だったりするので、どの作業も、技術を磨き続けます!
一旦筬に収めて、弦の当たり方も確認して、大丈夫そうでした!
まだシャンクをカットしてがいないので、鍵盤はいれられないけど、指でウイッペンを押し上げて打鍵すると、まぁ、今までとは全く違う音になりました!それだけでちょっとグッとくるというか、喜ぶ先生のお顔を想像してしまって、少しホッとしました。
明日、シャンクをカットして調律して、そうじゃないと確信をもって安心できないですが、すこしだけ、張り詰めていたものが、緩みました。
ヤマハC3Bのハンマーを植えたので、仕上げていきます。
はみ出しているシャンクをカットします。
つけたままだと、センターピンにダメージがいきそうで、一本、一本外してカットします。

バリを取り除いたりして、切ったシャンクと、ウッドが面一になるようにします。
そのままでも、音には関係ないのですが、きれいな方が、きれいです。

全てカットして、間隔を見直しました。
もう、早く調律したくて、だけど、きちっとあわせてないと、いい音、でないので、焦らずに。
いけそうな感じのところになったので、筬に鍵盤とアクションをセットして、ざっと調整して、やっと調律です。

間隔は、少し動かしたけど、どのセクションもほとんど位置関係は大丈夫でした。
シャンクをカットするのに一度外したので、昨日よくても、今日、ちょっと違うまま取り付けていたら、大変です。違ったもので合わせ続けると、最後には全然あってなくなったりするので、少しのことで、ホッとしました。
調律すると、ピッチも下がっておらず、オクターブやユニゾンがピタッとあうと、音の伸びが増幅するように響きが増して、なんというか、生きた音がして、あった時のふわっとした雰囲気と、ふわっとしてるのに、芯があるのが、先生のようで、泣きそうになりました。
ピン味もばっちりで、あった位置が分かりやすく、調律がしやすくて、それもうれしいことです。
先生は、このピアノの音を聴いたらどんな曲を一番に弾きたいと思うのかな。そんなことを想いながら、音を聴いてホッとしました。
やりたいことや、想いは人一倍強いけど、結果が伴わなけば仕事ととして成り立たなり立ちません。
信頼して任せて下さり、私自身も、お力になることができれば、と思って作業していて、一つ一つの責任を重くとらえて作業させていただいているので、作業の結果が見えるとき、ほんとに心底ほっとします。
まだまだ作業は続きますが、折り返し地点となりました。
少し作業するつもりが、気になって気になって仕方なくて、ヤマハC3Bの作業をしました。
鍵盤関係 (バランス・フロントブッシングクロス貼替、小口貼替、ダンパーレバークッションフェルト貼替、バックチェック交換、鍵盤クリーニング)
鍵盤関係の修理は、バランス・フロントブッシングクロスの貼替から。
まずは、元々のクロスなどを取り除きます。
バランス・フロントのブッシングは、虫食いこそ少なかったのですが、汚れてくたびれていたので、交換します。

バランスも、

フロントも、元あったクロスをしっかりきれいに取り除きます。
剥がす前のフロントの画像を見ていただくと分かるのですが、なんか、ものすっごく接着剤がついていて、一度修理されたのかな?とも思ったけど、ブッシングのはりつけられた感じとかは純正っぽくて。。
ただ、もうガチガチで、きれいにするのに一苦労でした。あんなに接着剤が付けられていたら、雑音しそうですが、貼りかえるので、大丈夫です。

鍵盤の木部も、できるだけきれいにしました。

小口も、変色、変形してきているので、剥がして貼替ます。

のみで剥がせるタイプです。木部をえぐらないように、一本一本気を付けて取り外しました。

ダンパーレバークッションフェルトは、かなり傷んでいるので、新しくします。

古いクロスを取り除きました。こちらも木がささくれやすいので、慎重に作業しました。
バックチェック以外の取り除く部品は取り除きました。
ここ数日、ダンパーや鍵盤のクロスなどの部品を集中的に剥がしていたのですが、場所によって様々な接着剤が使用されていて、剥がしやすい方法を探りながらの作業も、とても勉強になりました。
なかなかきれいにならなくて、時間もかかって、予定より作業が遅くなっていますが、きれいに取り除くことは、きれいに貼りつけるために絶対に必要なことなので、手は抜けません。
新しい部品に交換していきます。
まずは小口から。

新しいものを貼り付けて、加工します。
新しくなると、いっきに鍵盤自体が明るくきれいにみえますね。

バランスのブッシングを貼り終えました。
鍵盤は、フロントのブッシングを貼りました。

全て貼り終わったので、接着されたら、あとは、バックチェックの交換と、ダンパーレバークッションフェルトの交換で、鍵盤の修理は終わります。
バランスとフロントのブッシングの接着が乾いたので、いろいろ処理して、仕上げました。

バランスは、左右位置など、気にしながら貼って、切り口にも気を遣います。

フロントも、カチッとしっかり貼れました。

キャプスタンも、

ピカピカに磨きました。

傷みつつあるバックチェックも

全て新しくしました。
ハンマーのテールの溝の加工が深いと、バックチェックがダメージを受けやすいのですが、元々のオリジナルもそんなに溝がなかったので、テールの溝は通常より少なめの加工にして頂いて、この先も、ダメージが少ないといいのですが…。
ダンパーレバークッションフェルトの貼替も行いました。

かなり傷んでしまっていたので、

きれいに貼り変えました。

これで、ヤマハC3Bの鍵盤関係の修理が終りました。
工房では、ヤマハC3Bの鍵盤のクリーニングを行いました。
弾きこんで、黒鍵の黒ラックが落ちてしまっているので、

塗りなおしました。

バフをかけて、

白鍵も汚れているので、バフをかけて、

鍵盤関係の修理が終りました。
ホコリだらけだったのがうそのようで、これで心置きなく整調していけます。
良いタッチのピアノになるといいな。
ダンパー貼替
ダンパー関係も修理を始めていました。

ダンパーガイドレールのブッシングのところでスティックしているわけでも、ダンパーレバーにスティックがあるわけでもないのに、平ダンパーのところでも止音が悪く、先生がかなり気にされていた不具合です。
前任のお方もいろいろなことで対処しようとされていたようで、ダンパーフェルトを交換して、調整を見直して、しっかり治していきます。
まずは古いダンパーフェルトを剥がします。

アップライトもグランドも、剥がすものはしっかり剥がします。

ダンパーヘッドもワイヤーも、汚れているので

きれいにします。

平ダンパーのところ以外は、ライニングフェルトを貼って、

平ダンパーは、ライニングフェルトにダンパーを貼り付けて

裁断していってみることにしました。

一本止めが全く映っていませんが、ダンパーフェルトを裁断しました。
映っててないことに、今気が付いたくらい、必死に裁断したようです。ライニングフェルトを先に貼ってからの裁断はあまりやらないので、気が張りました。

こんな感じで、ダンパーの貼り付けが終りました。
本体につけてみないと、個々ではきれいでも、ライニングフェルトの出方とか、平ダンパーのまっすぐとか、きれいになっているかわからないのですが、きれいに貼れているといいのですが。。
ヤマハC3Bのダンパーもざっと取り付けました。
総上げや首振り、前と後ろが同時に上がるかとか、ほか一通りはみて、どの音も現段階で止音不良はなく、先生に気にされていた部分は平なので、おそらく大丈夫と思われます。
馴染んでから、本格的に時間をかけて精度を上げますが、止音については、結構ピリピリしていたのですが、すんなり苦労することなく取り付いたので、心底ホッとしました。

実は、ダンパーは、最初に貼ったものが微妙で、全てやり直しました。
最初、何を想ったか、現行機種と同じようにライニングフェルトをウッドからすこしはみださせて貼ってみたら、ほんとに微妙な、汚くもないけど、きれいなのか?みたいなすっきりしない仕上がりで、一応自分なりに練習して、研究して、きれいに貼るための工夫もして、きれいに貼れそう、と思ってやってみたけど、なんかほんとに微妙で、もやもやしていたら、『スキル以上のことはしないほうがいい、誰にも怒られないのだから、やり直したら?』と、ご助言いただき、ライニングフェルトを、元と同じ面一の貼り方にやり直すことにしました。
何がって、自分が一番微妙かも、と思ったのに、その段階で潔くやり直さなかった自分が浅ましく、恥ずかしくて、めんどくさいとかよりも、今よりもっと汚くなったら?とかグルグル考えて、踏み出せずにいたのですが、そしたらまた、貼りなおせだばいいだけで、自分のダメな部分を突き付けられました。
あのままだと、ずっともやもやして、普段言ってることとやってることが違う人間になってしまって、そんな人に、大切なピアノは任せられないと思うし、実際、今の方がきれいなので貼りかえてよかったです。
作業を通して自分を知ることとなって、良い部分や未熟な部分、いろんなところが見えますが、大切なピアノを任せるに値する、信じるに足りる人となれるよう、人としても成長していきたいです。
そして、自分の目線で微妙なものはダメってことだろう、と改めて思い知って、これからは、もっと自分の目線を信じて仕事をしていこうと思いました。
ダンパーフェルトの裁断も含めて、最低ラインはクリアしていると思うのですが、ライニングフェルトを均等にはみ出してきれいに貼るのは、ほんとに高い技術が必要で、今の私には難しく、ちゃんときれいだと思える作業ができるように、アップライト同様、まだまだもっと経験を積みたいです。
仕上げ

アクションと鍵盤をセットすると、この状態で、いろいろ兼ね合いを見ながら少しずつ正しい状態に持っていきます。

何度も何度も合わせ直して、一回調律して、また合わせ直して、精度を上げて、また調律して…
YUAもそうでしたが、C3Bも、整調の決まりがよくて、すごくやりやすくて、回を重ねるごとに、鳴り方や、PPの出方が鮮明になって、修理前が嘘みたいな、同じ楽器とは思えない弾き心地に変わってきました。今までの不具合を、忘れてしまえるピアノに生まれ変わりつつあります。

先生が弾きたいように弾けるピアノを目指して、まだまだもう一歩、いける気がします。
ファイリングをして、大屋根や蝶番などを取り付けました。
一工程、一工程、均一になるよう、丁寧に仕上げていきます。
昨日は大変だった鍵盤の高さも、ほとんど変わってなくて、思ったよりもスムーズに作業がすすみました。

調律をして、整音も。
最初に調律した時、何もかもがアレで、想うところをこらえて、とにかく私ができるすべてで、この不具合を一掃して、数十年前、初めてピアノを迎え入れた時の、ワクワクしてピアノを弾きたくなる、そんな気持ちにまたなって頂けるよう、責任と戦いながら、作業しました。
仕上がったピアノは、先生が気にされていた止音不良は一切なく、おもっくるしかったタッチは、しっかり指についてくるようになりました。
強弱がつかず、ビャンビャンうるさかっただけの音色も、繊細なppから、豊かなffまで、表現豊かな音色となり、これなら、先生も笑顔になるに違いないです。
ここまで別のピアノのようになって、自分の仕事じゃないみたいにきれいになって、ほんとにちゃんと仕上がって、心からホッとしました。
信じて任せてくださった先生のお顔やご主人の様々なお気遣い、都度都度ご助言頂いた師匠や、せかすことなく想うとおりに作業させてくれた専務に、いろんなことが想われて、お待たせしてしまってながかったけど、やっとだなぁ。
全部に感謝と、想う以上の出来に、グッとくるものがありました。
内装が完成してからも、調律したり、整調したり、脚を磨いたり、譜面台のフェルトを貼って仕上げたり、ちょこちょこ作業していたのですが、いよいよ明日、納品で、最後の仕上げです。

仕上がった後、先生が一度見に来ていらしていたようで、ちょうど帰る時に偶然お会いして、その時にいろいろお聞かせくださり、すっごく笑顔だったので、心配はないのですが、整調を一からさらって、昨日も一度、調律しいているので、狂いはないけれど、最後、心をこめて、調律しました。
外装も、しっかり掃除して、磨いて、準備万端です。
明日、途中から立ち会うことになっていて、雨が降らず、無事に納品できますように。
納品されて
今日は午後から、ヤマハC3Bの納品でした。
朝はパラパラ雨が降っていたけど、納品の頃にはやんで、私用も滞りなく終わって、最初から納品に立ち合うことができました。
開梱されて片付けなどしていると、早速先生がピアノを弾いていらして、先生が一番になんのを弾くんだろう、と想いながら作業していたので、すぐのすぐにお聴き出来て心があたたまりました。
そういうご様子からも、本当に待ちに待ったピアノで、ご主人や先生がくるたび、『うちのピアノ、どんな〜?』と、気にかけてくださっていたので、やっと本来あるべき場所に無事にお戻しできて、よかったです。
先生がピアノを弾いて、『きれいな〜♪何も気にせず弾ける〜♡』と、ポロッと仰ってたのが、私はいつも、どんなピアノでも、どんな方がお弾きするピアノでも、何も気にせず、100%、ピアノで音楽をすることに集中できるピアノに仕上げたいと想って作業しているので、こちらから聞いたわけでなく、率直なお気持ちをお聞きするとことなって、この上なく嬉しかったです。
今月中に、お弟子さんのコンクールの入賞記念コンサートもあるらしくて、それまでにグランドを弾かせてあげたかったとおっしゃっていたので、間に合ってよかったですし、『このピアノで子供たちがどう感じてくれるのかも楽しみ』と仰っていたのが、生徒さん方の為にも環境を整えて指導にあたっていらして、そんな先生に教われるって、素晴らしいことです。
弾いてくださった音色が温かく、軽やかで、『上手になった気がする!』と仰っていて、先生に関わらず、修理や調律でそう感想をお聞かせくださることは多いのですが、今まではお持ちのお力をピアノが再現できなかった状態だっただけで、これからはなにも気にせず、音に集中できて、もっとピアノを弾きたくなるといいな、と思います。
先生がピアノをお弾きになるとき、修理の依頼の時は、ほんとに困った悲しいお顔だったのが、明るく笑顔で、楽しそうで、楽しんでいらして、そのお顔を見れたことと、ご主人様は愛媛の吹奏楽の伝説的なお方で、中学の頃、講習会でお見かけした険しいお顔が、私の中の先生イメージだったので、見たことないようなすっごいにっこり笑顔で、きっと教え子さん達もなかなかみれない、その笑顔がみたくて部活を頑張っていたような、そんな大きな温かい笑顔を見れたことは、なににも代えがたく、この修理にかけた想いを、全部受け入れて下さったような、温かい、温かいもので、お二人の笑顔を見れたことは、一番うれしかったことです。
きっと、ご主人様が先生として活躍されたころ、奥様の支えあって、ご主人様も好きな吹奏楽に没頭できて、愛する奥様の一部であるピアノが無事に仕上がって、弾かれる先生だけでなく、ご主人様にとっても奥様の笑顔を見られたことが心底嬉しかったように見えて、それが笑顔につながって、誰かのために仕事をして、先生だけでなく、ご主人様にもこんなにも喜んで頂けて、私は本当に幸せ者です。
先生が、仕上がった音やタッチ感はもちろんですが、張弦やダンパー、ハンマー、外装、あらゆるところを見て、『きれいな~♡』と仰ってくださったのも、フルオーバーホールではなく、響板や鉄骨の状態から、そこはそのままに、というご助言をいただき、それでも美しく、正しく仕上げられるよう都度都度、師匠にご助言頂けてことも、結果につながったと思います。途中、『きれいになりますかね』と、相談したこともあったけど、『大丈夫だから』とお言葉をくださり、迷わず作業できたことは、大きな責任と戦いながら、絶対に喜んで頂きたい一心で作業した私にとっては、何よりの心強く、また、ハンマーヘッドの相談にのってくださって、バックチェックにダメージないよう、絶妙にテールの加工をしてくださった輸入部品のお方や、ハンマーシャンクをはじめ、いつも最速スピードで部品を手配くださる浜松の若社長さん、ペースのことも、部品のことも、すべて全権私に預けて、想うように作業させてくれた専務など、いろいろな方々のお力添えあって、関わってくださった皆様のおかげで無事に納品され、本当にありがとうございました。
きっと、想うように弾けるピアノとなって、今まであえて気を付けていたことが無くなって、あきらめていたことができるようになって、もっと弾きたいために、生まれ変ったピアノでやりたいことはどんどん出てくると思います。先生の要求はこれまでと変わって、どんどん気が付かれることも増えるはずなので、その要求に応えられるよう、一層技術を磨かなくてはならないですね。
長年依頼されていた調律師さんから変えることだけでも勇気がいることなのに、初めましてのピアノを、信じてオーバーホールを任せて下さり、『思い切って頼んでよかった!』と喜んでくださって、ご夫婦の笑顔を見られたことは、これから先、いろんなシビアな局面で心の支えとなることです。
本当にありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします!

