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今治市・カワイBS40の修理まとめ
修理のいきさつ
一度目のお伺いの時に虫食いがあったのですが、発表会など、タイミング的にお伺いしてすぐは修理が難しく、その時は調律のみでしたが、今回、修理をさせていただくこととなりました。
お父様とそのご姉妹のピアノだったピアノで、今は一番上のしっかり者の娘さんが弾いていらっしゃいます。
レッスンにいくと、白熱することもあるみたいで、好きで続けていらっしゃるようです。
おじい様、おばあ様方も、このピアノが来た時のお話をしてくださって、いろいろな想いがあるようです。
下にもお子さんたちがいて、今後たくさん活躍できるよう、様々あって、本来よりかなりお待たせしてしまい、その分も含めて、心を込めて作業させて頂きます!
お引き取りの日 (バランス・フロントパンチングクロス全交換)
掃除と、本体関係のクロスも交換しておきます。
バランスは、こんな感じで、
フロントも、

ちょいちょい虫食いです。
しかも、フロントパンチング(緑)のうえの赤い粉は、鍵盤のブッシングからのもので、
前回のお伺いで、徹底的に掃除したので、まだいるのかな…
ちなみにこのホコリたちは、前回のあと二年弱でたまったものです。
こういうのをみると、いっぱい練習したのかな、がんばったね、と、うれしくなります。
キーピンを磨いて、新しいバランス・フロントブッシングクロスに交換します。

作業をしていると、「なんしよーん」と興味津々で、
「虫がフェルト食べてしまったけん、新しいのにしよんよー」と答えると、
「フェルトっておいしいんかな?」と、私好みの質問が。
子供さんのこういうの、大好きです!大人ではない発想で、かわいすぎて、抱きしめたくなります。
ほっこりした気持ちのまま、ペダルも磨いて、

アクションと鍵盤、外装を引き取って、工房に戻りました。
ウイッペン関係の修理 (ジャックスプリング全交換、ウイッペンフレンジ全交換)
修理前のアクションです。
ホコリたちが積もっていて、ここから修理を始めていきます。
お引き取りの日に作業せて頂いたとき、途中から上のお子さんにアレルギー的な症状がでてきて、いたたまれず、喘息とかになったら大変なので、ホコリも徹底的にきれいにしていきます!

ウイッペンを一つずつ外して、

ジャックスプリングと、ウイッペンフレンジを外します。

スプーンも、

ピカピカに磨きます。

ウイッペンパーツ全体をクリーニングしました。
バックチェックについたスキンも頑張って取り除いて、これならアレルギーも出ないはず!
今回は、ピアノにスティックの症状もあり、大層立派な日本家屋のお家で、ピアノは動かす予定はないそうなので、センターピン交換だけでなく、木製のフレンジに交換した方がよさそうなきがするので、木製のフレンジに交換することにしました。

このまま、ただつけていくだけならまだいいのですが、各ウイッペンに合わせて、センターピンも選び直しながらの修理となります。

一つ一つセンターピンを選びなおして、調整してからフレンジを取り付けて、ジャックスプリングも取り付けます。
過去にセンターピンが交換された形跡もあって、季節によったら、かなり弾きにくかったかもしれないですね。。

やったところとこれからのところと、差がくっきりです。

ダンパーロットも磨いて取り付けて、

間隔もみなおして、ウイッペン関係の修理が終りました。
フレンジを交換したので、変化を気にしながら修理をすすめていきます。
ダンパー関係の修理 (ダンパーレバークロス貼替)
ダンパーレバークロスを剥がしました。

きれいに剥がして、ダンパーレバークロス自体もクリーニングしました。
ダンパーレバークロスを貼り付けます。
ダンパーレバーを取り付けて、位置もみなおします。
ハンマーレールクロスを貼替て、レール類を取り付けました。

アクションが結構ホコリとかで汚れていたのですが、きれいになりました!
ハンマーレールを取り付けると、仕上がってきた感がでますよね。
なのですが、今回はまだ、ハンマー関係の修理が終ってなくて、これからスキンやフェルトを剥がすのに、とてつもない時間がかかりますが、地道に作業を進めていきます!
ハンマー関係の修理 (キャッチャースキン貼替、バットスキン貼替、バットフェルト貼替、バットスプリング全交換、ブライドルテープ全交換、バットフレンジ全交換)

ハンマー関係の修理は、スティックを繰り返すので、バットフレンジごと交換と、キャッチャースキンの交換、バットアンダーフェルトの貼り付け位置がイマイチだったので、そっちもなおしたいので、バットスキン・バットフェルトも交換することにしました。

もともとのアンダーフェルト(赤いフェルト)が、ちょっと上目に貼られてて、そうすると、アンダークロス(白いクロス)と隙間ができていて、バットスキンのカーブが変になってしまって、角度がおかしいというか、ジャックの動きがさまたげられそうで、やらなくてもいいのかもしれないけど、気になって。。
すごいがんばって、何とかすべて剥がし終えました。
取り除く部品は取り除いたので、まず、キャッチャースキンを貼りました。

スキンを幅ぴったりに裁断して、それをキャッチャースキンにぴったり貼るのは、結構大変で、思いの外時間がかかります。
ダンパーフェルトよりはやりやすいけど、貼った時に直線が出るよう、真っ直ぐ裁断も難しいし、特に上になるところをぴったり張るのが難しいです。
続いて、バットスキンを貼りました。

今回はバットスキンの交換は悩んだのですが、バットアンダーフェルト(赤いやつ)が、おさまるはずの溝より上に貼り付けられてて、バットアンダークロス(白いやつ)の隙間もあって、バットスキンが歪だったので、交換することにしました。
交換することで、他の変化もあることなので、なんでもやるのではなく、やる、やらない、をしっかり判断しなくてはなりません。
交換して、隙間もなくなって、カーブもよく見る形になりました◎
少しでもまずはバットフェルトを貼り付けます。

同じ大きさで揃ってると、気持ちいいですね。

バットスプリングと、ブライドルテープも貼り付けました!
新しいアクションみたいに、きれいになりました◎
お預かりが長い分、申し訳なくて、でも、ただやっつけ仕事みたいにはしたくなくて、喜んでいただいて、もっとピアノが弾きたくなるような、そんなピアノに仕上げていきます。あともうすこしです。
弾き心地がよくなって、喜んで頂けるといいな。
今治市・カワイBS40の修理も、残すところ、ハンマーバットフレンジの交換だけとなりました。
ウイッペンフレンジ同様、このまま取り付けるわけにはいかないので、一つ一つ適切に調整しながら取り付けていきます。
全てのフレンジをつけ終えました。

元々は、ハンマーの動きが悪くて、止まってしまったり、ゆっくりもどったり、指が疲れてしまう状態でしたが、スプリングも交換して、センターピンも適切な硬さになって、すっごいかろやかな動きになりました◎
ピアノが上達してきて、早いパッセージも弾くようになってきていた様子だったので、パッと音がでるようになり、たくさん練習しても、疲れないようになってると思います!
ハンマーを取り付けました。
とりあえず付けて、ざっとみましたが、ここから最後のひと踏ん張りというか、フレンジを木製に交換すると、走りや捻じれ、間隔が、なかなかしっちゃかめっちゃかになります。
最初のころは、全然正しくなっていかなくて、収拾がつかなくて、泣きそうになりながら何日も作業してたくらい、大変です。
いまは、大変ですが、収拾がつかないこともなく、道筋はたてられるので、あえて一気にやらず、変化もみながら、作業を繰り返して、正しい状態にしていきます。
木製にするか、センターピン交換のみでいくか、できるなら、センターピン交換だけの方がいいのですが、今回は状況的に、木製にしました。
今日までちょこちょこ、増し締めしたり、走りや捻じれ、間隔を見直して見直して。
フレンジを交換してるので、念入りに行います。

研修をまたぎながら、やっと完成しました。
お届けは来週末なので、直前にも再度、見直します。
これで、今治市カワイのアクションの修理も終わりました。
運動会とか参観日の関係で、長くあずかることとなりましたが、お父様のピアノ、虫食いも、湿気の不具合もリセットされました。
いつもご家族の皆様全員で対応してくださり、きれいになったピアノを、皆様、きっと喜んでくださると思うので、納品が楽しみです♪
鍵盤関係の修理 (バランス・フロントブッシングクロス貼替、クリーニング)
こんなかんじで、バランス・フロントともに虫食いなので、貼り換えます。

まずは、古いクロスをきれいに取り除きます。
バランスも、

フロントも、

古いクロスを残さないよう、取り除いていくのですが、フロント側は、ささくれやすいので、注意しつつ、きれいに取り除きます。
工房に戻って、地味にコツコツ時間を見つけて貼っていた、今治市・カワイBS40のブッシングの接着が乾いたので、仕上ていきます。
バランスも、

フロントも、
すっかりきれいに貼り換えました!
汚れてしまっている小口も、
きれいになりました!

鍵盤のバフをかけて、

鍵盤の修理が終りました。
外装 (磨き、部分補修)
上前板は、

くもって何も映らない感じだったので、

しっかり磨いて、スマホケースも映るようになりました!

うち傷もあったので、

パテで埋めて、塗装しました。
鍵盤蓋も、

ちょっと汚れているので、

奥丸と、

鍵盤蓋、長丁番も磨いて、蝶番も交換して、きれいになりました♪
お届けの日
今回は、アクションや鍵盤を入れただけでは、まともに弾けないので、まずは弾ける(整調できる)状態にもっていくことからスタートです!
そこから、ダンパー位置や、スキンやフェルト、クロスに、フレンジまで交換しているので、様々な位置関係が、作業前と大きくかわってないかなど、いつも以上に確認をして、思ったよりもよかったので、一気に仕上げていきました。

最後、調律を終えると、元々しっかり鳴る方でしたが、各部分の動きの良くなったのに加えて、歪について、すぐにもさもさになってしまうバットスキンの交換で、ジャックもスムーズに動いて、力がそがれることなくハンマーに伝わるのか、PPは、よりクリアに、FFの鳴りがさらにパワーアップして、さらに幅のあるピアノとなりました。
修理したアクションや外装をみて、『ぴかぴかになったね!』、『ここ、もけもけだったところ(キャッチャースキン)?すっごくきれいになった!』と、一番うれしそうだったのは、お母さんでした。
お子さんによりよい状態で、という親心が、すごく伝わって、『軽くなった!弾きやすい!よく響く!』とおっしゃてくださり、お客様の感じることと、私の感じるものが、同じで、独りよがりの修理でなくて、ピアノとお客様に必要なことができたような気がして、安心しました。
最後に

今回は、いろいろご配慮いただいて、作業中、お子様方は敷地内の別宅で過ごしてくださり、時折聞こえてくるにぎやかな声を微笑ましく思いながら、集中して作業させてくださり、いつもよりハイペースに、滞りなく作業を終えることができました。
おばあさまも、息子さんや娘さん方が弾いていらしたときのお話もお聞かせくださり、お持ちのピアノの当時の想い出を思いだす優しいお顔に、使用される方だけでなく、そのピアノに関わるかたにとって、修理して受け継いでいくことは、ピアノそもののと、大切な記憶も受け継いでいくことなのかもしれないですね。
まさかの虫食いから修理を決断してくださり、おまかせいただき、ありがとうございました!
タイミング的に長くなってしまいましたが、これから、トラブルなくお使いいただける状態になりました!
今後とも、よろしくお願いいたします!

