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今治市・カワイHA20の作業まとめ

ピアノを習いはじめたころから、いずれご実家のピアノをもってこようと検索して『しまなみpiano』にたどりついて、しばらくは電子ピアノで頑張っていたけど、いよいよ電子ピアノが壊れてきてお問い合わせいただき、クリーニングと修理のご依頼を頂きました。

御実家ではかなり湿気の症状が強く、調律できない感じでスティックしていました。今日はまだマシです。。。
こんな感じだったのですが、他の修理も合わせるとご負担も大きくてピアノのことなど、正直にお伝えすると、『母がずっと置いておいてくれて、私がもっていかないとただ処分するだけになるから…』といって、クリーニングと修理して迎え入れることを決めて下さいました。
以前から『ピアノを運ぶときはしまなみpianoさんに』と思っていてくださっていたようで、ちょうどホームページを新しくしたタイミング、一番最初のご依頼で、いろいろスムーズに段取りきて、やっと作業に入れます。
ゆくゆくはご自宅に出張レッスンに来ていただくことも考えていらっしゃるようで、まだ小さな子供さんたちが楽しくレッスンしていけるよう、しっかり作業していきます!

裏はさすがにほこりやチョークもあって、新しいお家に持ち込まないようにしっかり掃除します。

アクションの方は湿気の症状が強いですが、裏のホコリはきれいにしやすかったです。

ピアノを点検してると、弦の張り方がおかしくて、震えました。
製造時から?そうにしても、乾燥剤も入っていて、昔の調律師さんは、気が付かなかったのでしょうか。。調律してて、ここだけ異様に音の止まり方とか悪かったんじゃないかな、とも思うのですが…。
このピアノの調律カードには、調律されているのに過去の調律の記載がされていなかったり、ここ最近お伺いする新規のお客様のピアノに調律カードがないパターンが続いていて、基本、お客様が触るところではないので、いろいろと考えせられました。。

本体を磨いたので、ピアノを寝かせて、きちんとした状態に戻しました。弦も切れなくて、チッピングして、音もちゃんとした音程に定まります。よかったです。

さらっとしたホコリが積もっているので、

駒の上もしっかりクリーニングしました。

ペダルは錆びてきていて、

底板もホコリが積もっています。

底板を何度も拭いて、ペダルもぴかぴかに磨きました。

ピアノの底板の裏は、ピアノを寝かせないときれいにできなくて、なかなかお客様のお家でもきれいにしずらいです。

まだまだお子さんたちは小さくて、もしかしたらピアノの棚板のしたにかくれんぼするかも?しれないので、ピアノの下のほうも徹底的にきれいにします。

妻土台は、どこのご家庭もほこりがちですが、

きちんと磨いてきれいにして、お子さんが触っても大丈夫です!

前土台も、フェルトががっちり接着されていて、たてたままだと古いクロスをきれいにするのが大変すぎるので、一旦外して貼りかえます。

ピシッとしました。

ピアノを起こしました。
傷自体は少なくて、磨くとピカピカになって、お子さんたちもピアノがピカピカになって、喜んでくれるといいな♪

パンチングクロスの交換と、キーバックレールクロスの交換を行います。
年式的には新しい方ですが、特にフロントが妙にフワフワで。
キーバックレールクロスも厚みが心配でしたが、大丈夫そうでした。

筬を汚さないように気をつけながらキーピンをピカピカに磨いて、バランスとフロントパンチングを新しくして、キーバックレールクロスも貼替ました。

アクションを解体します。

ほとんどバットスティックしていて、動きがものすごく悪いです。
この状態だと、うまく音が出せなくて、せっかくがんばって練習しても、うまく弾けません。弾いたように音がでるピアノにしたいです。

クロスの厚みなど、少しづつ仕様が違うので、そのあたりの確認もしながら、修理を見立てました。
難しいピアノなので、慎重に作業をしていきます。

かなりスティックしていて、打鍵すると途中でハンマーが止まってしまっていました。
重たい感じになって、せっかく練習しても弾きにくくて、良くないです。。
スキン関係も、この時代のスキンは毛羽だったり、つるつるになったり、リバウンドやジャックの戻りが悪くなる原因になるので、交換しておきます。

バットプレートのないタイプなので、フレンジを取り外すのも慎重に。。

バットスプリング、バットスキン、バットフェルト、キャッチャースキン、ブライドルテープを取りのぞいて、フレンジを取り外しました。
まだ半分くらい?まだまだ作業が続きます。

途中になっていた残りのハンマーの交換部品を取り除きました。

スキンを裁断して、キャッチャースキンを貼り付けます。

サイドの裁断面や、上側になる部分をピシッと直線が出るよう、幅も同じになるように裁断するのもかなり気をつかいます。サイドが斜めになったり、上の部分が丸い感じになると、かなりぼやッとした見た目になるので、ピシッとぴたっと、を心掛けます。

キャッチャースキンをすべて貼り終えました。

バットスキンを貼り付けました。
アールがなだらかじゃないと、ジャックが引っかかってしまうので、しっかり引っ張って、気を付けてはりつけます。

バットフェルトも裁断して貼りました。

かなりバットの動きが悪くて、新しいスプリングにして、センターピンも変えるので、きっとハンマーの動きも最適になると思います!

ブライドルテープを取り付けて、センターピンを交換しました。
バットプレートがないタイプだからか、フレンジブッシングクロスの材質の関係なのか、とにかくこのタイプは調整が難しくて、かなり慎重に作業をすすめました。
キャッチャースキン、バットスキン、バットフェルト、バットスプリング、ブライドルテープ、バットセンターピンを全て交換して、ファイリングを行って、ハンマー関係の修理が終わりました。
。

少しづつダメージのあるダンパーレバークロスを貼り換えようと思います。

コツコツきれいに剥がせました。

裁断したダンパーレバークロスをはりつけました。

ウイッペン関係の修理に入りました。
バットのセンターピンの状態が悪かったので、ウイッペンとジャックのセンターピンを交換するか、かなり迷いましたが、今日の天気や、納品場所のことを考えると、このままの方がよい気がするので、パーツのクリーニングとジャックスプリングの交換を行うことにしました。

ジャックスプリングを交換しました。

スプーンもこのままではザラザラしているので、

ウイッペンを外すたびに一本一本磨いています。ダンパーロッドもピカピカに磨きました。

ダンパーレバーやレール類をとりつけました。
ダンパーを合わせるのができなくて、それはまた後日、丁寧にみたいと思います。

鍵盤はクリーニングのみにすることにしました。
思ったよりもブッシングが消耗していなくて、鍵盤の横ブレやガタツキもなく、鍵盤の木部がかなりデリケートな機種なので、これからお子さん方がたくさん弾いて不具合が出だした時に修理することにしました。

音名が書いてあったシールは、一旦剥がしてほしいというご希望なので、コツコツ剥がしました。
薬剤などは使えなので、地道に剥がします。

くすんでいるキャプスタンも、

ぴかぴかに磨きました。ざらつきがあったらダメな部分なので、触ってツルツルなるまで磨きます。

まだまだ小さいお子さん方、もしかしたら三人で弾くかも?なので、なるべく消耗しないように処理して、鍵盤のクリーニングが終りました。
アクションは、本体に合わせての作業になりました。

ダンパーの調整をする前に、接触していたペダルの天秤を加工しましす。
お家にある時から前土台とペダルの天秤棒が接触していて、ペダルを踏むと、『ギー』と音がするだけでなく、ものに当たった状態ですからものすごく重たい踏み心地でした。細かいぺダル操作はできない感じです。お母さん、子供の時、ペダル、踏みにくかっただろうな…とおもうと、胸が痛かったです。

天秤側を削って加工して、接触しなくなりました。ペダルがスムーズに動くようになりました。これで普通のピアノと同じ踏み心地です。

ペダルも治ったので、ダンパーの総上げや位置の調整を行いました。
途中から中音の左の下部分にほとんどフェルトが当たってない状態で、かなり苦戦しましたが、いいところに落ち着いてくれました。ライニングフェルトがないピアノで、そういったところでも、難しかったです。

ハンマーレールクロスを交換します。

汚れもきれいにして、新しいものに貼り換えました。

ハンマーを取り付けて、走りや捻じれ、間隔をみました。大層時間がかかりました。

使用感のあるマフラーと鍵盤押さえのフェルトも、

真っ新なフェルトに貼り換えました。

外装パーツも磨きました。

蝶番は全て新しくして、

まだ小さいので、元がどうだったかとか覚えてないかもしれないけど、家に来たときに最初に見たピアノのことはこの先大人になっても覚えているかもしれないので、できうる限りピカピカにします。
『真っ黒で新品みたいなピアノが来た』と、何十年も覚えていてくださるような仕上げを目指して磨きました。

一通り、調律、整調、整音を終えました。
タッチは最初から激変していましたが、三週目あたりから音もこんなにかわるんだな、と実感できる感じになってきて、その後作業を重ねて、あと少しで完成です。
弦の張り方やペダルなど、いつもにはない不具合があったピアノなので、他に見落としがないか、小さな違和感を逃さないように作業していると、いつもよりもかなり時間がかかってしまいましたが、ここまでくれば、大丈夫な気がします。

仕上げに入りました。鍵盤をあげて、もう一度棚板などを掃除しました。

音が硬かったり、独特の雑味みたいなので唸りが聞き取りにくくて、どうなることか不安でしたが、修理と整調と整音の甲斐あって、やっと調律しやすい音になりました。

マフラーの掛かりなども点検して、

ペダルももう一度みがき治しました。

最後の最後、鍵盤蓋の建付けが悪くて、そっちの修正もして、ピアノが完成しました。
最初点検にお伺いした時、状態の悪さやピアノそのもののことで色んな意味で修理しなくてはならないご負担がおおきくて、全部洗いざらい話して、そのうえで、『母が置いていてくれたピアノなので』と、ピアノを治す決断をしてくださいました。
実際作業に入ると、思った以上に厳しい所や難しいところに遭遇して、一つ一つクリアにして、やっと完成しました。
正直、音もタッチも新品の時よりも良くなっていると思っています。

朝、一通り見直して納品されたので、お家に納めても問題なく、予めご用意させて頂いた断熱パネルを敷いて、すんなり納まりました。
弾ける状態になったら、楽譜を広げたり、ふたりで一緒に椅子に座って順番に弾いてみたり、あばあちゃんちからきたピアノを目一杯歓迎してくれました。
お母さんも、『こんなにきれいになって、もってきてよかったです!いっぱい弾いてよ~』と満面の笑みで喜んでくださって、無事にお納め出来てはしゃぐ皆様のご様子をみれて、心から嬉しかったです。
しまなみpianoの存在を知って、電子ピアノが壊れたタイミングでご依頼くださり、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします!
