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今治市・ヤマハU3Gのアクション修理まとめ
修理のいきさつ
ピアノはヤマハのU3Gで、ご実家にあったピアノを新築のご自宅へ運び入れて、今後再び使用していかれるとのこと。
一度点検ににお伺いすると、虫食いはなかったものの、フレンジコードが切れてしまっていて、調律も30年ほどお休みされていたご様子で、この度、修理と調律をご依頼くださりました。
ありがとうございます!

かわいい木目のピアノです♪
お引き取りの日

ホコリや、スパーダー的なやつとか、Gの亡骸や落とし物など、30年分の汚れをきれいにして、

キーピンも磨きました!

ペダルも磨きました。ピッカピカです。顔も映ります!
修理前のアクションの状態
今日はここまでで、アクションなど、お引き取りしてきました。
フレンジコードは、結構な率で破断しています。

早速解体していきます。

おっと、ブライドルテープ、千切れてしまいました。。カビてたりもしたので、後程交換します。
コードが生き残ったもので、恐る恐る動きを確認すると、

実はスティックだったりするようで。センターピン交換もしなくては!
スプリングも、折れ曲がってしまって。。

これをのばして使うとか無理なことで、スプリング自体も弱ってきているので交換していきます。
解体がおわりました。
長年調律をおやすみされていたけれど、弦の溝の付き方とか、過去、しっかり使用されていたように見受けられて、『ご兄弟のとか、複数で使用されていましたか?』とお聞きすると、やはりそうでした。解体してダンパーレバークロスをみても、全音域、隈なく使用されていたのが伺えて、幼いころから、ピアノがお好きで、丁寧に練習を重ねていらしたのかな、と、勝手に思ったりしました。
修理によって、あと15年くらいは現役で音楽ができるよう、精いっぱい作業させていただきます!
ウイッペン関係の修理 (ジャックスプリング交換)

ジャックの汚れや、スプーンのガリガリなど、きれいにしていきます。
クリーニングする前の、スプーンとジャックの後ろ姿です。

比べると、スプーンはピカピカになったし、ジャック、後ろも汚れるようで、

見えないからといって、そのままにはしたくないですね。
ジャックの表もきれいにして、ジャックスプリングを取り除いていきます。
新しいスプリングを取り付けました。

今日はここまで作業しました。

スプリングが根元で折れてしまって、そうなると、溝に残った接着剤を取り除くのがちょっと大変です。。間違って木部をえぐったりしないように結構気を使います。
修理してから心配なくお使いいただくために、今がスプリングも変え時です。
ご実家から手元に移されて、数十年ぶりにいつでも弾けるようになったのですから、必要なことを行って、ピアノに向かう時、少しでも心地よい時間となればいいな、とおもいます。
昨日の続きで、パーツのクリーニングやジャックスプリングの交換を終えて、ダンパーロットも磨きます。
ダンパー関係 (ダンパーレバークロス貼替)

そんなにガリガリはしてないけど、やっぱりきれいにしておきたいですね。

ピカピカにして、

ダンパーロットを取り付けます。

つづいて、ダンパーレバークロスの貼替を。

一部分だけ、油のようなものが吹き付けられていて、なんでかわからないので、注意して作業をすすめていきます。
その部分だけ、よりホコリもたまってしまっているので、きれいにホコリを取り除きながら、作業を進めます。
スプーンがあまりガザガザしてないのに、クロスは結構えぐれてきていて、きっと昔、たくさん弾いてこられたピアノなのかな?
古いクロスを剥がします。

今日もばっちりきれいに剥がせました。
新しいクロスを貼り付けます。

幅ぴったり、隙間なく貼ります。
いろいろチェックしながら、きれいにしながら貼り終えましたが、特に動きがおかしいようなところもなく、大丈夫そうなので、ダンパーレバーを取りつけます。

今回、元々の取り付けがアレだったので、かなり触らなくてはならず、本体に合わせるまで、ドキドキです。
ハンマー関係の修理 (フレンジコード貼替、バットセンターピン全交換、バットスプリング全交換、ブライドルテープ全交換)
フレンジコードの交換を行っていきます。
まず、古いコードをきれいに取り除きます。

新しいコードが溝にはまらなくなったりするので、念入りに!
新しいコードを貼ります。

コードの端がバサバサだったり、左右の位置がずれてたらかっこ悪いし、溝の上までぴっちりはまるよう、気を付けて貼ります。
見た目以上に弾きこんだ感があったり、解体して分かったこともあったりで、せっかく修理させて頂くので、今までよりも良い状態なるよう、がんばります。
修理前です。

ブライドルテープも、チップが千切れてしまったり、テープ部分がカチカチになって、形状記憶されています。。

スプリングも折れ曲がってしまっていて、痛々しいです。。

見積もりや、お引き取りのときに、動きが悪い、止まるようなものはなかったのですが、解体して、コードが切れていないもので恐る恐る確認すると、ステックしてしまっているものが多数見られました。センターピンも交換しなくては。
早速作業に入ります。

ブライドルテープと、バットスプリングを交換します。

新しくなって、シャキッとしました◎
センターピンですが、
こんな感じで、さびてしまってて、逆に動いていたことにびっくりです。

古いピンを、いつものように打ち抜くと、優しくないので、ひと手間くわえて、センターピンを交換していきます。人にも、ピアノにも、優しさが必要です。

新しく交換したの、外してみました。
こんな感じで、もちろん、さびていません。
あれだけ錆びていたら、動きも阻害されてしまっていたかもしれないですね。。
きっと弾きやすくなったと思います!

全てのバットセンターピンを交換して、ハンマー関係の修理が終りました!
ハンマーレールクロスはちょっとくたびれていて、
レールにもホコリがたまっているので、

ハンマーレールクロスを貼替て、きれいにしたレール類をとりつけました。

かなりきれいになったと思われます!
ハンマーを取り付けていきます。

とりつけるときにも、念のため動きをチェックしながらとりつけていくのですが、まぁ、ほんとシャキシャキ動くようになりました♪
走り、捻じれ、間隔を見直して、

今治市ヤマハU3Gのアクションの修理が終わりました。
フレンジコードの破断もですが、バットセンターピンの状態が悪くて、なので、動き方も変わって、きっと弾きやすくなっていると思います!
その他
鍵盤押えのフェルトとマフラーフェルトを交換しました。

使用感は少ないのですが、フェルトも疲れた様子です。

枕のフェルトも新しくして、きれいな新築にぴったりです。
鍵盤のクリーニング

特に鍵盤おさえの下付近?が汚れていますので、しっかりきれいにしていきます!
白鍵も黒鍵も、バフ掛けします。
黒鍵が案外よごれてて、ホコリがしっかりついてしまっているので、

ホコリを取り除いてから、黒ラックを塗ります。

絶対見えないけど、ホコリがついたままとか、せっかくきれいにできるのなら、見えなくても、しっかりきれいにしたいです。

キャプスタンやポストワイヤーも、案外汚れているので、この際さっぱりきれいにしました。

白鍵の鍵盤押さえの下あたりの汚れもきれいになって、鍵盤のクリーニングも終わりました。
これで、今治市・ヤマハU3Gのアクション修理の作業が終りました。
いろいろとこちらの都合でお引き取りも納品も、少しお待たせしてしまいますが、幼いころにご自身が使っていたピアノを、これからは数十年ぶりにずっと弾いていけることになるので、あとは納品時、しっかりと作業させて頂きます!
お届けの日
30年ほど調律をお休みされていたこともあって、整調もかなり厳しい感じだったので、お伺い前から、いろいろ流れを考えてからお伺いいたしました。
元々のダンパー位置がイマイチだったので、取り付けの時、結構治したので、ドキドキしならアクションをセットしたら、だいたい大丈夫でホッと一安心して、ここから第一整調→調律→本整調→本調律と作業を進めました。

しっかり時間をかけて確認なさるのだと思って、確認の最中、そばにいるのも失礼にあたるかとと思い、『席をはずしましょうか?』とお聞きすると、『全然!』と、そのままご確認で弾いていただいて、さらさらっと弾いて『いいですね!』と活き活きとおっしゃてくださって、心底ホッとしました。
というのも、さらっと弾かれてる合間に、連打性の確認や、オクターブのとんだ音を聴いていらっしゃるんだろうな、とか、強く弾いたり、弱く弾いたり、ずっとピアノを弾いてこられたお方の弾かれるご様子に、かなりドキっとしてました。
お引き取りした時の硬くきつい音から、お人柄が感じられる暖かく、でも、密度の濃い音に、圧倒されました。
途中、ご自身で焙煎された珈琲をいれてきてくださって、これがほんとにおいしくて、ご用意頂いたすべてを頂いてしまいました。
普段は絶対にしないのですが、わざわざ時間を見て淹れて下さったのに、こんなおいしい珈琲を残すなんて、バチがあたってしまいます。
日程のことなど、ご迷惑をおかけしてしまったのに、終始丁寧に接してくださり、いただいたお言葉も、今後の励みとなります。
きっとご自身の音楽の原点であるこのピアノで、これから先はずっと弾きたいときに楽しめるといいですね。
この度は、大きな修理になんのためらいもなく、納得して任せて下さり、ありがとうございました!
今後とも、よろしくお願いいたします

最後に
私が修理させて頂く中で、ずっと昔と、今とではさせていただく作業は変わっていて、特に、師匠と出会ってからとでは、考え方も変わりました。
必要だとおもうことの根拠がはっきりして、ただ何となく作業しているのではなく、『なぜ必要か』を、ブレずに説明できるので、意味のある作業となるし、ひたすらピアノの修理に向かうことも、お客様とピアノに必要なことなので、苦ではありません。
正しい状態の『正しい』が、どの状態か、そこがはっきりしたので、スプリングの交換や、ダンパーレバークロス貼替、予定になかったセンターピン交換も行うこととなったのですが、今回弾いていらっしゃるご様子をみて、作業が正しかったことや、調律、修理をされたピアノを受け入れて下さったことに、いろんな気持ちになりました。
弾いてくださるお背中をみながら、お聴きかせくださった音に、ぐっときながら、自分の選んだ道が険しくとも、お客様の喜びの時間のために、より一層、頑張っていかなくては、と改めて思いました。
