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2023/08/22

新居浜市・ヤマハU3Hのアクション修理の作業まとめ

修理のいきさつ

お孫さんがピアノを習い始めたらしく、『練習していたら、鳴ったり鳴らなかったりすることがある』

ということでお伺いすると、ハンマーがスティックしていて、今年は例年に比べて多いですね。。

習い始めて、続くかのご不安もあるだろうし、各家庭ピアノに対してのお気持ちは様々で、ご事情もあったりするので、修理が必要な時は、そういったお話も含めて、お話させていただいて、お客様に決めていただいています。

『これからのピアノなのだから、一番良い状態にしてあげたい』とその場で、お返事頂き、アクションのお引き取りさせていただきました。

カビもあって、そして、こちらのアクションちょっとアレなところもあって…それは解体してから…

おばあさまのお気持ちを、お孫さんに伝えられる仕事を心掛けて頑張ります!

修理前の状況

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ハンマーは、こんな感じでスティックしています。 

こちらのピアノ、ちょっとアレなところがありまして…

というのも、15年くらい前?に、フレンジコードの貼替の修理がされていて、それがちょっとおおらかな修理だったらしい模様で。。 

解体してて、フレンジのビスを緩めても、ハンマーがとれなくて、おかしいな…とおもったら、コードを張った接着剤がはみ出して、フレンジ同士を接着していました。。 

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おそらく、フレンジをつけたままコードのみ交換したのですね。。

注意深く外してみると、 

接着剤が! 

貼られているコードもこんな感じなので、どうしていくか、考え中です。 

ウイッペン関係の修理 (ジャックスプリング全交換)

工房では、新居浜市・ヤマハU3Hのウイッペン関係の修理を始めています。 

センターピンの状態を確認しつつ、スプーンを磨いて、ジャックスプリングは、役目を終えている感じで頼りないので、すべて新しくしていきます。 

DSC_2710 (1)

古いジャックスプリングを取り除くのですが、途中でスプリングがちぎれてしまいがちで、そうなると『あぁ⤵』なんです。
 

穴の中に残ると、穴を傷つけず、千切れたスプリングを取り除くのは、なかなか大変になります。。 

とにかく千切れないよう、注意して作業します。 

スプリングを取り付けます。新しいので、元気いっぱいです。いい仕事してくれそう。 

作業したところと、これからのところ、はっきりわかりますね。

 

ジャックももちろん磨いて、 

 

スプーンも。

 

ウイッペンの作業が終わりました。

 

ダンパー関係の修理 (ダンパーレバークロス貼替)

 

古いのを剥がします。 

 

カビを除去しつつ、新しいクロスを裁断して貼り付け、ダンパーレバーの取り付けを。

 

 

高さや間隔を修正しました。   

 

 

カビも、 

 

 

きれいに除去済!です。

  

ハンマー関係の修理 (バットスプリング全交換・ブライドルテープ全交換・フレンジコード貼替・バットセンターピン全交換)

力が無くなった、バットスプリングも交換していきます。 

   

 

ブライドルテープも、

 

カビてたり、割れてたり、なんか油っぽいので、 

 

新しくしました。印象が一気に明るくなりますね♪

  

 

バットスプリングとブライドルテープの交換が終わりました。

 

 

続いて、新居浜市・ヤマハU3Hのフレンジコードの貼替を行いました。 

過去のおおらか修理の爪痕がアレで、このままではよくないので、とりあえず貼られていたコードを取り除きます。 

  

過去の修理で使われた接着剤までもアレだったら、いよいよだったのですが、きれいになりそうです。  

元のを剥がすと、最初の一番古い破断したコードの残骸も残ってて、そりゃ、コードもおさまらないですよね。

 

この溝に、いつも貼ってるコードは貼れないので、別のものを貼っていくのですが、ちゃんと溝におさまるかな…?

 

 

大丈夫そう! 

サイドについてしまってた接着剤もきれいにしながら、このコードを貼っていきます。

私は不器用で、サクサクできればいいのだけど、剝がすのにも、溝にきれいにおさめるのも、ものすごい時間がかかりました。。 

でも、丁寧に下処理すれば、きちんとおさまるもので、なにより、もともとのパーツを生かせてよかったです◎
 

新居浜市・ヤマハU3Hのフレンジコードの貼替が終わったので、バットセンターピンを交換していきます。 

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あれだけ無理無理にコードを押し込められていたので、フレンジの溝が押し広げられて、バットに干渉していてたようなものもあれば、左右のブッシングクロスの状態が違ってたり、センターピン交換は、基礎の基礎ですが、ほんとに正しく作業するのも、気が抜けないですね。

基礎が大切なのは、楽器を演奏することに同じで、曲の練習の前に、ロングトーンやスケール、スケールバリエーションの練習をしていって、単調な基礎の発展が曲で、基礎や王道の大切さがわかっているから、今の仕事でもこうした基礎や下処理にも重きを置けていて、あの頃にも意味があったな、と思い、改めて音楽をさせてくれた親にも感謝です。 

それはいいとして、ハンマー関係の修理も終わって、アクションを組み立てていきます。 

 

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走り、捻じれ、間隔を修正して、新居浜市・ヤマハU3Hのアクション修理が完成しました。 

 

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マフラーも新しくしました◎  

 

 

外装 

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お孫さんが傷つけてしまったらしく、とても気にされていた傷です。 

トミカ、走らせちゃったかな?

白鍵がトミカの駐車場になって、ほんとはダメなのに、かわいいなぁとほっこりしたこともあり、こういった傷も、よくありますね。ちょうどいい高さなのかしら。

傷にも想い出があったりするので、何となくいけそうだけど、一応消せるなら消すか、確認します。 

今回は、『女の子が使うので、最初だけでも、きれいにしてあげたい』、とのことで、やれるだけ、磨いてみます。 

 

 
今回は、きれいになりました。

 

同じクリーニングでも、こんな風にできるときと、塗面の状態で、できないときがありますが、今回はいけたので、喜んでくださるといいな♪ 

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蝶番も新しくして、お引き取りしていたパーツをすべて磨きました。 

 

黒は、ホコリとか目立つので、黒も黒で難しいな、といつも思います。

やれることしかできないけど、一つ一つの作業が、お客様の喜びにつながれば、と思い、作業させて頂いております。

  

鍵盤のクリーニング

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鍵盤を磨いて、各処理もして、触り心地もさわやかに◎

あとはお届けです。喜んでいただけるといいな。

お届け

各調整も順調に進み、調律、再度調整を見直して、動きも正しくなりました!

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最後に

作業が終わり、お声掛けすると、奥様と娘さんがお二人で来てくださり、仕上がったピアノを確認してくださいました。
何よりまず、『キズが…!』と、ホッとされたようで、しかも、娘さんのほうが、より、安心したご様子で。

『もしかして、トミカですか?』とお聞きすると、『そうなんです…』とのことで、しかもよくよくお話をお聞きすると、このピアノはお母さま(おばあ様)のピアノで、娘さんからしたら、お母さんのピアノにご自身のお子さんが傷をつけてしまって、ずっと気がかりだったのかもしれないですね。

娘さんの安堵のお顔とお母さまのお顔がそっくりで、それぞれの思いがあるものですね。
大切なピアノを修理させていただけて、トミカ傷も消えて、動きの良くなったピアノが再び活躍されていきますように。
 

思いがけずの修理にご理解くださり、お任せくださって、ありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします。

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