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松山市・カワイDS60のアクション修理の作業まとめ
修理のいきさつ

ご実家から移動してきたところ、ウイッペンの動きが大変悪く、そのせいで鍵盤もゆ~っくり戻ったり、アクション全体にカビがあったりで、状況のご説明をさせていただいていたところ、翌日には修理のご依頼をいただいておりました。
ご依頼くださっていたのに、お引き取りをお待たせしてしまいましたが、修理と、とにかく掃除を徹底的に行っていきます。
今日はアクションの解体を。

ハンマーのアンダーフェルトが真っ白になっていたり、

シャンクもカビとキャッチャースキンで、ダンパーレバークロスにもなにかついてて、健康的に良くなさそうです。。

ウイッペンを外してチェックしたら、まあ、ものすごくかたくて、やはり、ウイッペンのセンターピン交換は必須です。
状況をお伝えした時、『教えてくれてありがとうございます』といってくださいました。
どんな状況のピアノでも、修理をお伝えするときは、大切なピアノの良くない状況をお伝えするのが、少なからずショックを与えてしまうことだということも分かっているので、それが仕事ですが、毎回、伝え方やお客様のお気持ちや、いろいろ気を使ってお伝えしているのですが、そのようにいってくださり、なおのこと、精いっぱい作業させていただきたいと思います!
とにかくウイッペンの動きがすこぶる悪く、鍵盤がのっそり戻ってきて、弾くのに差し障っていたことが修理の発端でもあるので、ウイッペンのセンターピンを全交換していきます。
ウイッペン関係の修理 (ジャックスプリング全交換・ウイッペンセンターピン全交換)

ウイッペンを外して、センターピンをぬく前に、どのくらい硬いか確認しつつ作業するのですが、ぎゅうぎゅうな感じ?
とにかく動きが悪くて、抜きずらくて。。
でも、ジャックは大丈夫でした。
ウイッペンやジャックの汚れをきれいにして、スプーンを磨いて、ジャックスプリングもかえていきます。

ジャックスプリングは、カワイのほうが楽に交換できる気がします。

スプリングも交換して、すっごいきれいになりました。
たまに、前世は掃除の仕事だったのか?と思うことがあるほど、ピアノの外装も、アクションパーツをきれいにすることが、すごく好きで、でも、家の掃除はテキトーなので、前世は違う職業の模様。
それは置いといて、一つ一つ、修理して、ウィッペンの作業を終えました!
きれいにするのに、思った以上に時間がかかってしまって、あっという間に時間は過ぎてしまいます。
修理前が、↓。

修理後が、↓。

美白したみたいに、明るくきれいにトーンアップしました◎
ダンパー関係の修理 (ダンパーレバークロス貼替)

穴はそこまでではないけれど、カビ?か、ホコリ?か、何かついていて、今回の修理のもう一つの目的は、『カビやホコリの除去』でもあるので、ダンパーレバークロスの貼替を行っていきます。
とはいえ、他のメーカーのほとんどが、ダンパーレバーが木製なのに、カワイはプラスチックなので、木製のダンパーレバークロスの交換と同じ方法で修理ができないのです。。
でも、古いものをきれいに取り除かないと、新しいものを貼れないので、ひたすら、レバークロスを剥がしました!

これなら、大丈夫!クロスもきれいに貼れそう◎
ダンパーブロックも、

結構汚れているので、

きれいにクリーニングしていきます。がんばれば、きれいになるんです♪
音に関係ないし、アップライトピアノなので、普段はみえないので、「見えないところに時間をかけるなんて、意味がない、みえないんだから。やらなくていいよ」と笑われたこともありました。
けれど、『見えないところこそ、手を抜かず、そういった積み重ねのきれいな仕事が、よい仕事につながる』と教わり、そういう仕事をされている方々の手掛けるピアノは、本物で、私もそういう仕事でお客様に喜んで頂ければ、という想いで、日々の仕事をさせていただいています。
価値観はそれぞれで、押し付けるつもりもなく、私の自己満足かもしれませんが、それで誰かに迷惑をかけることでもないし、やっぱりきれいなほうがいいし、正しいと信じるやり方で、お客様のためにピアノを良くできたらいいな、と思って、日夜がんばっています!
ダンパーレバーをきれいにしたら、レバークロスを貼り付けていきます。

きれいに剥がしているので、ぴたっと貼れます◎
続いて、ダンパーを取り付けました。

いままで、第三メーカーが続いていたので、それから比べると、かなりあっているのですが、高さや角度、間隔を揃えていきます。

修正しました。
アクションがまぁ、すごくきれいになって、『完成を感じたい!』、という、謎の気持ちが発動して、

ハンマーレールクロスを新しくして、レール類を取り付けました!
いつも、たいてい作業の流れは決まっていて、レール類は、ハンマーの取り付け前にするのですが、先にやりたくなってしまいました。。
きれいになって、お客様も喜んでくださるといいな♪
ここから、一山、作業がある修理ですが、松山市・カワイDS60のアクション修理、ダンパー関係の作業は終わりました。
ハンマー関係の修理 (キャッチャースキン貼替・バットスキン貼替・バットフェルト貼替・バットスプリング全交換・ブライドルテープ全交換・バットセンターピン全交換)
松山市・カワイDS60のハンマー関係の修理に入っていきます。

ハンマーシャンクに、キャッチャースキンが付いていたり、ハンマーヘッドにカビが付いていたり、なかなか、調律時に完全にきれいにするのは難しい所なので、 クリーニングしていきます。

この時期前後のカワイのピアノのキャッチャースキンは、年式によって、ツルツルになったり、毛羽だって、ももけてきたりして、リバウンド(二度打ち)してしまうことがあります。
このピアノも、交換したほうがよさそうなので、このタイミングで、貼替することになりました。
(正面の画像をとり忘れてて、ズタズタ系です。)
カワイのキャッチャースキンの交換は、個人的に想いのある作業です。
というのも、確か7年くらい前、幼稚園のピアノがもけもけになるタイプで、リバウンドするし、ジャックが抜けなくなってしまうしで、弾けなくなってしまい、カワイはプラスチックのアクションで、修理するにも、どうしていいかわからず、悩んでいました。
当時四国の技術者や、他、いろいろちょっときいてみたら、『バットごと交換するしかない(=ハンマー交換も必須となる)』とか、『そんなものは、ピアノを買い替えるしかない』とか、お客様に、とても負担となる答えしか返ってこず、そうするしかないのか…と、モヤモヤしていました。
それでも、なにか方法があるはずだ、と、調べまくっていたら、師匠のブログに行きついて、覚えこむまで読み込んで、見様見真似で修理をしました。
まだ今より経験がない分、何を根拠にブログを拝見しただけで自分でもやれる!と思ったのか…
でも、治したい一心でした。
もちろん、幼稚園のピアノは、費用の負担もバットごと交換するより、はるかに抑えることができ、買い替えることもなく、今も現役で活躍中です。
師匠と関わらせていただくようになったのは、それからずっとあとのことですが、一番初めにブログを拝見したとき、これならお客様負担が小さいかもしれない、と、希望となり、今では、『お困りのお方は、一度ご相談ください』といえる修理です。
それも、指導あってのことで、感謝しつつ、お客様に修理して喜んで頂くことが、恩返しであったりするのかな、と、思います。
そんなこんなで、とりあえず、古いキャッチャースキンを取り除きます。

きれいに取り除きました。古いスキンも、古い接着剤も、全く残ってないです。
そして、バットスキン。

やるか、ちょっと悩みました。
大変だからなるべくやりたくない、のではなく、修理として過剰にならないか、で、迷っていて、持ち帰った時は、やるかやらないか、半々でした。
過不足ない修理が、ピアノにとっては、一番負担がないように思います。
ジャックが戻る方向にそっとなぞると、どんどん毛羽立って、ズタズタの団子みたいになったり、お引き取りから一昨日までに同じ機種のズタズタにならない年式のものをみて、やろうと決めました。

バットスキンを変えるには、バットフェルトも交換となります。
案外、バットフェルトの接着剤のほうが、剥がれにくかったりでした。。

キャッチャースキン貼替・バットスキン貼替・バットフェルト貼替・
剥がすのも大変ですが、裁断も、貼り付けるのも、皮目を間違えた大変ですし、神経を使ったりします。
もっとさらに裁断とか、ぴったり合うように、もっとシャープな感じに仕上げられたら、よりきれいになるのかな?
もちろん現段階でできる一番きれいな仕事を心掛け作業したので、きっと不具合も解消されて、弾きやすくなっているといいな。

ブライドルテープは、こんな感じでカビが発生していて、なんかベタベタしています。。
スプリングも力が無くなってきているので、交換をします。
バットセンターピンも、ガタだったり、スティック気味だったり、状態がバラバラなので、全交換していきます!

こうしてみると、きれいになったけど、カビだったり、ほこりだったり、人によってはアレルギーがあったりで、場合によっては喘息がでて、大変なことになるので、きれいにできてよかったな。。
とてもきれいなお家に、ピアノの中だけが不釣り合いだったけど、キャッチャースキンも交換して、バットスキンも交換して、タッチ感もよくなっているはずなので、音出しが楽しみ♪

ハンマーを取り付けて、走りや間隔、捻じれを修正しました。

カビてたり、キャッチャースキンが付着していたアクションが、

きれいになりました!なんか、明るくなった気がします♪
松山市・カワイDS60のアクション修理が終わりました。
鍵盤のクリーニング
バフをかけて、黒鍵には、サイドに黒ラックをぬって、ワイヤーや木部もクリーニングします。

きれいになりました♪
比較的きれいで、きっとお母さんが『ピアノを弾くときは、手を洗ってからね』って言ってたりしたのかな~。
これで、松山市・カワイDS60のすべての作業が終わりました。
修理のお届け

とりあえずアクションを入れて。
今回はバットスキン、キャッチャースキンも変えているので、ちょっと大変です。
昔々、一番最初にバットスキンとキャッチャースキンを交換した修理をお届けした際、あまりにも想像を超えてて、『なにかまちがった?!』って、半泣きになりながら一つ一つの調整の工程をたどっていったのが懐かしく、その後同じ修理を経験させて頂いて、今はどうなっているか、どうしていくか、わかっているので、驚くことはなくなりました。
かなり荒い整調を行ってから、一回目の調律→もう一度精度を上げて整調→調律→本整調で仕上げていきます。

無事に修理のお届けが終わりました。
最後に
修理後に娘さんとお母さまにピアノを弾いていただいたら、『調律してる時から、音が全然違うって思ってたんです。古いからダメだと思っていたのに、新品みたい♡』とお母さまがとてもうれしそうで、その横で娘さんが、『音がきれい♪』っていいながらレッスンしてる曲を何度も弾いてくださいました。笑顔でピアノに触れるお二人のお顔がそっくりで、こちらまで笑顔になります。
ピアノを弾く前、『手、洗った?』とお母さまが娘さんに聞いて、やっぱり!!
『実は、鍵盤がすごくきれいで、やっぱりお母さまが子供の時も、そういわれてましたか?』とお聞きすると、
『そうなんです。きれいに手を洗ってから弾くよう、母に言われてました。』
そうやって大切にされて受け継がれたピアノだったんですね。
粗整調をした段階から、音の出方とか、スキンを交換しているからか、すごく弾きやすくて、変化をお客様も感じてくださっているなら、修理の方向性は正しかったのだと思います。
ピアノを弾く方にとって、その時間は幸せの時間で、より幸せを感じていただくために力になれたのだとしたら、心からうれしいと思います。
動きが悪かったり、カビがひどかったり、驚かれたと思いますが、大切なピアノを修理させて頂き、ありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします。
