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西条市・カワイBL71の作業まとめ
いきさつ

奥様のピアノをお子さんが使って、その後ずっと『開かずのピアノ』だったのですが、奥様がピアノを習いだされて数年して、あんまりにも音がひどいというので、先生にご相談→ご紹介という、とてもありがたいお話でした。
先生から、大人の生徒さんが増えたことは数年前からお聞きしていて、続けていらっしゃることもおききしていたので、最初っから、他人とは思えなくて、あのお方か~♪、と軽い気持ちで点検にお伺いすると、天屋根開けた瞬間から虫食いを悟って、中をみていくと、レベル高めの虫食い+スティックというパンチが強めのピアノでした。
そうはいっても、カワイのBL71ですから、元々は最上級機種で、この譜面台の出ているタイプに憧れのある方もいるくらいです。
奥様に、ピアノのこと、ピアノの現状をおつたえすると、『これからも使っていくだろうし、30年何もしてなかったんだから、一気にきたとおもって、自分のために治したい』とおっしゃってくださいました。念のためにご主人様に確認すると、一切反対されることなく、やっぱり、長年連れ添った奥様の大切な趣味の時間を、好きなように楽しんでいただくことが、ご主人様もうれしいのではないかな、と思います。
(以下、すこし見るときを選ぶというか、汚れや虫が苦手なお方は、ご遠慮くだされば、と思います。)
修理のまえに
まずは、裏の掃除を。

予想通りのホコリ、蜘蛛の巣、Gの卵やGとねずちゃんの落とし物などなど。

何回も何回も、掃除機→拭く→掃除機→拭く、時々エアーでいろんなものを吹き飛ばす…ことをして、きれいにしていきます。
なぜだか今日は、ピアノをきれいにしながら、温泉で背中を流しているような気になって、『おつかれさま』に、ピアノが『いい気持ち~極楽~🎶』と言ってる気がしました。
ちょっと自分でもやばい人だな、と思ったけど、どのピアノも、そのくらい想いを入れて作業してて、ピアノの後ろをきれいにするのは、全く苦ではなくて、こうして長年のよごれを取り除いて、新たなスタートを迎えてもらいたいのです。

こんなところも、

きれいにして、増し締めしています。
お引き取りが終って、一度ごあいさつで電話させて頂いた時、レベル高めなので、ブログにのせるの、加減したほうがよいかな、と思ってご相談させて頂いたら、『ありのままで!お任せします!楽しみにみます!』と潔い清々しいお返事を頂き、『レベル高めが、どれだけきれいになっていくか』をお見せすることになりました。なので、西条市・カワイBL71の作業の写真は、時折、ひぃ~ってなることも予想されますが、BL71のお方のために書くので、苦手なお方は、ご遠慮いただければ、と思います。
お嫁に時にもっていらしたピアノを、生涯弾けるうちはずっと楽しみたい、というお気持ちでのご依頼です。
きっと子育てが落ち着かれて、少しだけ自由になるお時間に、ご自身の好きなピアノを弾いていかれたいのだろうから、この先、弾きやすくきれいになったピアノで、より豊かな時間を過ごしていただけるよう、丁寧に作業させて頂きます!

現状把握というか、点検時に虫食いの粉がすごかったので、本格的にクリーニングの前に、ざっと掃除をしたくて。
その前に、30年とはいえ、あまりにも狂っていて、ルーズピンなのかな、とか、鉄骨にヒビが入っているんじゃないかとか、不安だったので、動きが悪すぎて四苦八苦しながら一度調律をしてみました。
半音以上下がっていましたが、ピン味も問題なく、断線することもなく、安心して作業を進めていけます。ただ、かなり動きが悪すぎて、奥様、弾きずらかったろうな…と思いました。
外装は、ちょっと汚れが目立って、たばこのヤニなのか、擦り傷なのか、単に汚れなのか、磨きながらは磨き方を決めようと思います。

鍵盤の上に、緑色の粉があるということは、

鍵盤押さえの方と、鍵盤蓋のフェルトも虫食いでした。
ちなみに鍵盤の下には、大量の防虫剤があって、お客様には覚えがないらしく、30年前の調律の時から虫食いで、その時のお方が少しでも虫食いを止めようと、設置されたのかもしれませんね。

こんな感じで、パンチングクロスも、ブッシングクロスも被害にあっています。

キーバックレールクロスの下側のフェルトも。

キーバックレールクロスは交換するので、きれいに取り除いておきました。

筬を付けたままだと、きれいになりきらないので、一旦外して、ざっと掃除しました。
外すと、いろいろなもの(Gの卵や、何かの亡骸、体温計、消しゴム、えんぴつなど)がでてきて、このタイプは、ものが滑り込みやすいですよね。昔、大量のろうそくが出てきたことがあって、ちょっと怖かったのを思い出しました
今日は夕方、ピアノの点検にお伺いしていたのですが、とても立派なピアノで、それをお伝えすると、『全然知らなかった!』と驚いていらっしゃいました。
たまたまですが、今やっているアトラスFU50やカワイのBL71も最上位機種で、両方のお客様もお持ちのピアノがそうであることを知らなかったようで、『全然知らなかった!』と、全く同じ反応をされていました。
修理する、しない、とか関係なく、ピアノのことをお伝えして、知ると皆さん嬉しかったり、買っていただいた方に改めて感謝したり、ピアノの想い出を思い出したり、そういう瞬間はとても尊いものだと思うので、私自身が、もっとピアノのことを知るための努力をしていきたいと思いました。

ブライドルテープにカビが発生しているようです。
そして、固着していて、なかなか強情で、痛かったです。。
解体をすすめていくと、

ありがちなところに、Gの卵があったりで、ひぃ~とは思うけど、もはや驚きません。
不意に触ってしまっていて、『パリッ』と音がして、粉砕してしまってた時は、今でも、一人の時でも悲鳴が上がります。慣れても、好きではないです。

バットのセンターピンは、ものすごく動きが悪く、お客様も、『音が出なかった時が結構ある』、とおっしゃっていて、もとのお家の元の場所に戻すので、フレンジごと交換します。

ダンパーフェルトも虫食いで、こちらも交換します。

解体できました。
バットフェルトは案外全部大丈夫で、ウイッペンヒールクロスも、虫食いも雑音もないので、ほっと一安心です。
ウイッペン関係の修理 (ジャックスプリング全交換、ウイッペンフレンジ全交換)

お客様も、『音が出なかったりする』『連続して音が出にくい時がある』とおっしゃられていたのですが、原因の一つとして、ウイッペンのスティックも考えられます。
外して確認すると、ぎちぎちで、ものすごく動きが悪くて、お客様の感じる不具合の原因のうちの一つだと思われます。
ピアノの不具合はの原因は一つとは限りませんが、明らかに良くない状態なので、修理していきます。
修理後のお家の環境によって、センターピンの交換にするか、フレンジごと交換するか、判断をしているのですが、今回は、元のお家の元の場所へ戻すので、また繰り返さないよう、フレンジごと交換することにしました。せっかく修理させて頂くので、その後も心配なくお使いいただきたいのです

あと、ジャックのセンターピンも確認しつつ、ジャックスプリングも交換します。

古いウイッペンと、ジャックスプリングを取り除きます。
そして、ウイッペンパーツのクリーニングも。きれいにすると、なんか、音もタッチも軽やかになる気がします。気持ちの問題ですが、気持ちも大事です!

元々の新しいフレンジについているセンターピンでは緩い感じなので、一つ一つ確認して、センターピンを選びながら修理を進めます。
ガタでも、スティックでもダメなので、注意深く…
カワイはジャックスプリングも、ササっと交換します。

一つ一つ外した時に、スプーンも磨いています。
今日は低音セクションのみとなってしまいました。
修理の作業は、昨日に引き続き、C3Bの張弦の仕上げと、西条市・BL71のウイッペン関係の修理を行いました。

昨日の続きから、一つ一つ、クリーニングして、ウイッペンのフレンジの交換と、ジャックスプリングの交換、ジャックセンターピンのチェックと、スプーン磨きを行います。
こうみると、どんどんきれいになっていくので、うれしくなります◎

フレンジも交換しているので、間隔なども丁寧に合わせて、ウイッペン関係の修理が終りました。
見た目にも明るくなって、軽やかに弾けそうな予感です♪
ダンパー関係の修理 (ダンパーレバークロス貼替、ダンパーフェルト貼替)

古いダンパーレバークロスを取り除いて、

ダンパーレバーをきれいにします。

裁断し新しいものを貼り付けました。

今回は、ダンパーフェルトも交換するので、ダンパーブロックを外して、ダンパーレバーを取り付けました。
ステッチ入りの平のダンパーフェルトがない!と落ち込んだけど、あきらめきれずにさがしていたら見つかって、このまま作業を進められるようで、よかったです。

ダンパーフェルトも虫食いで、虫が埋まっていたりして、ちょっと悲しいので、全て貼り換えます。今回は本体があるので、かなりよいですが、裁断や、アクションにセットして本体に合わせるのは、とても大変なので、引き続き気を引き締めて作業します。

カワイなので中音から上は、プラスチックのダンパーヘッドです。

低音は、古いものを剥がすと、板みたいになります。

もちろん、ダンパーブロックもきれいにします。穴とかあるので、きれいに取り除くのも、一苦労です。
今日は剥がすだけとなってしまいました。
ライニングフェルトを貼っていきます。

反物から同じ幅のフェルトに裁断してから、ダンパーヘッドに合わせるのですが、まだまだ苦手な作業で、ぴったり裁断して貼るのは、ほんとに難しいです。

低音側も、緑のフェルトと、赤いライニングフェルトを裁断して貼り付けました。
私は、低音側がさらに苦手で、毎回すごく気をつかいます。
何度やってもまだまだですが、ダンパーフェルトの貼替は、裁断と、ダンパーを合わせるの技術が問われる難しい作業だと思っていて、だからこそ、きれいな裁断と、細かな調整でダンパーペダルの機能をより高められるよう、気合いをいれて、作業させて頂いています。
ただ、すごく気を遣うので、作業も遅く、今日もライニングフェルトを貼りつけただけになってしまいました。。
ダンパーフェルトの裁断は、さらに集中してやらないといけないので、頑張ります!

あっという間に裁断されているようですが、治具の設定とか、力のかけ方とか、かなり気遣って、気を抜かないように、集中してやります。平ダンパーは、ギリギリに長さなので、失敗できないのです。

平ダンパーは、永遠の課題で、まっすぐ切るって、ほんとに難しいです。
しかも、私は、ステッチ入り(ダンパーフェルトの真ん中が、糸で縫われているもの)の方が苦手です。
10月の研修の時に、ずっとどうやったら師匠のように均一に美しく裁断できるのか、手つきを見せていただきたくて、図々しいことですが予め私からお願いさせていただくと、快く見せて頂きました。
いつも想うのですが、技術を教わることは、そのお方の時間やご苦労、ご苦悩をかけてきたことを教わることで、そういうことを想うと、簡単に教える頂けることではなくて、いつも包み隠さず教えて下さるけれど、それでもお聞きすること自体、失礼な気がして、勇気のいることだったりします。けれど、いままで一度として断られることなくご助言いただき、私は素晴らしいお方に師事できて、本当に幸せ者です。
普通なら隠すところを、惜しみなく教えていただけるということは、いつかものにしてほしいというお気持ちだったり、ものにすると信じて教えて下さっていると思うので、教わるからには覚悟をもって、教わらなくてはなりません。
裁断されるご様子を見せていただいた時、まず、音が違ったので、その音で切れるように意識しながら、そしたら、刃がフェルトを切っていく感覚を感じるようになって、それで見なくてもイケたかわかる気がするというか、そこまで入り込まないと、まっすぐ切ることはできないようです。
難しいです。でも、誰がみても、美しい仕事がしたいので、まだまだ突き詰めていきます!

裁断も大変ですが、貼り付けも大事です。

今日は一気に仕上げるつもりだったので、そのまま取り付けです。

高音は、粗の目立つところで、完璧は一つしかないので、厳しい世界です。

しかも、ステッチ入りは、フェルトの上面と下面がアールになっていて、貼り付けの時、ズレていると、全くあって見えなくなることに最近気が付いて、目線が上がると気が付く→精度が上がる→きれいになる!なのですが、まだまだ、研鑽中です。

中音の始まりのあたりは、間隔と角度が難しくて。。
高音からやっていくのですが、この辺りは、目がパサパサになります。瞬きすると、条件が変わる気がして、限界まで瞬きを我慢します。

低音も、どこかを触れば、見え方も変わるので、投げ出さずに最後まで作業します。

ダンパーの作業が終りました。
ダンパーフェルトの修理は、アクションをお客様がみると、『きれいになってる!』と気が付いて喜んで下さいます。必要な時しかしませんが、喜ぶお顔が、毎回嬉しかったりします。
普段は見えるところではありませんが、恥ずかしい仕事はできないので、これからも完璧を目指して、きれいにして、喜んで頂きたいです。
それにしても、目が、目が、もうパサパサで、でも眼鏡だと、なんか合わせずらいので、ダンパーの作業には、目薬が必要なようです。
ハンマー関係の修理 (バットスプリング全交換、ブライドルテープ全交換、バットフレンジ全交換)

ほとんどのハンマーが、このようにスティックしてしまっていました。
ウイッペン同様、木製のフレンジに交換して、弱ってしまったバットスプリング、カビてしまっていたブライドルテープも新しくします。

交換する部品を取り除いて、

バットをきれいにしながら、バットスプリングと、

ブライドルテープを新しく交換しました。
後はバットフレンジを交換していくのですが、先日師匠のブログを拝見すると、新しいフレンジのコードが短かったように書いていらして、フレンジの袋を開けてみたら、『ほんとや…』と、力が抜けるくらい短かったです。。

古いものと比べると、3ミリ近く短くて、BL71のころと、今とで、仕様が違うのかしら…

分からないですけど、さすがにちょっとアレかな、と思ったので、付いているものを剥がして、新しく、古いものと同じ長さのコードに貼替ました。
これで心置きなく、取り付けられます◎

ちょっと固めなものや、左右差があったりしたので、調整しながら取り付けていって、

ハンマー関係の修理が終りました。

ハンマーレールクロスは、全く虫の被害はないのですが、クタクタなので、交換します。

レール類を取り付けて、アクションにセットして、ハンマーを取り付けていきます。

低音まで取り付けました!
本体があると、合わせながら取り付けられて、安心です。ですが、角度とか走りは大変な状態なので、しばらく、根気よく仕上げていきます!
鍵盤関係 (バランス・フロントブッシングクロス貼替、バランス・フロントパンチングクロス全交換、キーバックレールクロス貼替)
鍵盤関係は、最も虫食いの酷かった部分で、バランスも、

フロントも、被害大です。。

穴に虫ハウスが詰まっていて、虫の習性なのでしょうか。。
まずは、古いものを取り除きます。
カワイは木部がデリケートなので、やすりとかで、頑張ります。粉がすごいです。

フロントは、↑の剥がす前の画像でみてとれるように、クロス部分がほとんどなくて、両面テープ?っぽいものに薄皮一枚分のクロスが残ってるだけみたいになってて、刃物でのアプローチが難しく(クロスが薄くて、木部までいってしまいそうになりました。。)オールやすりでの作業です。粉が山になります。
カワイのフロントは、蒸すと高確率でささくれて、木部をえぐり取ってしまうので、人力で頑張ります。
なぜ、ここまできれいにすることにこだわるのかというと、元のクロスが残っていたら、しばらくすると、新しく貼ったものが剥がれてきてしまうからで、恥ずかしながら、大昔に大失敗したこともありました。(剥がれたのが分かった段階で、正直にお話して謝罪して、修理しなおす機会を設けて下さり、再度きっちり修理し直させていただきました。)
大変でも、きれいに剥がして、土台を作ってあげないと、お客様に迷惑をおかけすることとなるので、かなり丁寧に取り除きます。

虫ハウスも、完璧に取り除きます。
大量で、さすがにちょっと凹みそうになりましたが、気持ちよく任せて下さったお客様に、『完全に取り除きました!』と伝えれるように、アレコレ駆使して、虫ハウス、ゼロにしました!
朝、一本だけバランスもフロントも試しに貼っておいて、戻って筬に入れて確認したら、大丈夫そうだったので、バランスは貼り終えて、フロントの途中なので、明日、貼り終えれそうです。

パンチングクロスも、虫食いの被害が大きくて、

フロントは、裏にあたる下側が特に酷いです。。

キーピンも錆びていたので、ピカピカに磨いて、新しいパンチングクロスに交換しました!
筬の裏にあたる部分のキーピンを植えている穴にも虫ハウスがあって、やはり、筬を外してクリーニングした方がよいこともあるのだな、と、感じました。
特にカワイは筬を外すリスクもあるのですが、今回のようなこともあるので、時と場合で、対応していこうと思いました。

新しいキーバックレールクロスを貼り付けて、筬も取り付けました。
着々と元の状態にもどってきています!
ブッシングクロスを貼り終えたので、鍵盤を仕上げます。
バランスも、

フロントも、大丈夫そう!

黒鍵はすこし汚れが目立っていて、

バフをかけて、黒ラックを塗って、きれいになりました。

白鍵もバフをかけて、キャプスタンやワイヤー磨きもしました。
外装
ピアノをねかせる前に、きれいにしておきたいところをきれいにしていきます。

錆が出ているチューニングピンを、

地道にコツコツ磨いていって、

プレッシャーバーも磨きました。
機械的なものや、もちろん薬剤?的なものは使えないので、オール手作業です。
このような作業を苦に感じる人だったなら、この仕事はできなかったのだろうけど、やったことが目に見えるクリーニングは大好きで、きっと↑で、錆びたチューニングピンを見たお客様、驚かれただろうから、丁寧に一本一本、錆びを落としていきました。

虫の粉粉や蜘蛛の巣)も、

掃除しました。磨きが終ったら、黒ラックを塗ります。
全体的に汚れが目立つので、どこまできれいにできるか…頑張ります!
天屋根から磨きます。

屋根の内側も磨いて、

表も磨きます。

汚れ自体は、ヤニとかでもなく、そんなに頑固なものではなく、少し時間はかかりますが、きれいになっていきそうです!
腕木も、

きれいになりました!

細かいパーツも、
できるだけ外してきれいにするようにしています。
蝶番もですが、つけたままだと、際の部分がきれいになりません。外す手間より、外さない方がやりにくかったり、きれいにならずに時間がかかったりするので。

ホコリ、ナシ!です。

框も、

くすみ、ゼロの、つやつやです。
鍵盤蓋も、
ブランドマークも復活しました!
表ももちろんきれいに仕上げて、
譜面台も、
シェイミ(かんしゃポケモン。ハリネズミみたいで好き◎)が映りこむほどの鏡面仕上げとなりました!
長蝶番も、
カワイなので、心折れそうになりながら、

輝きを取り戻しました。
磨きが進んでくるにつれて、確かに汚れは目立っていたのですが、大きな落としキズや、打ちキズは一つもなく、汚れている感じも、何かを拭き取ったような感じで、もしかすると、奥様が昔、ピアノの汚れが気になって、ご自身で磨き液とかで磨かれたのかもしれない、と思いました。
そう思うと、お子さんが使わなくなっても、ご自身が小さなころからずっと一緒で、一緒に嫁いできたピアノですから、お忙しい中にも、傷がつかないよう大切にされて、ずっとピアノのことは気がかりだったんだろうな、と、思って、だからこそ、お家に戻ってピアノを見た時、『新しいピアノがきたかと思った!』と、驚いて、喜んでいただきたい、と、思いながら、作業を進めました。

ピアノを寝かせました。

底板を外すと、崩れ去ったペダル窓クロスが…

底板側のクロスも、ほとんどなくなっていました。

一旦部品を外して、何度も何度もきれいにしてから、黒ラックを塗りました。

ペダルも輝きを取り戻しました!

ペダル窓のフェルトも、貼替ました。

駒の上も、ほこりがたまるので、慎重にきれいにします。響板とか、傷つけないように…

すごくわかりやすいところに、アレがあったりしました。
いろいろな痕跡は、『ウォーリーをさがせ!』みたいに、すごく探します。
元々、『ウォーリーをさがせ!』はものすごく苦手で、『ミッケ!』に至っては、答えがないので、毎回見つからないやつは、もやっとします。。
そんな人なので、人の何倍も注意深く探します。せっかくピアノを引き取ってクリーニングさせて頂いているので、痕跡をなくしてお戻ししたいのです。

アレもなくなって、駒の上も、すっかりきれいです。

もちろん高音側も駒の上までクリーニングしました。

これで痕跡は消せたと思います!
中は、普段お客様には見えませんが、そういうところこそ、作業した人の本性が出るところだと思います。
『見えないから、しなくていい』とか、『わからないから、無駄』とか、散々関係ない人から言われたこともありました。そんな価値観もあって、それを肯定も否定もできませんし、いろいろな価値観がありますが、私は、『見えないからこそ、どこまでお客様に正直に作業できるか』が大切で、信頼のもとお預かりしたピアノの、見えないところまでも美しくきれいにすることで、澄んだ美しい音が生まれると思っています。
後は底板や前土台を取り付けたら、ピアノを起こせます!
まずはピアノを起こしたいので、

前土台や底板を取り付けて、黒ラックを塗ります。シャキッとする気がします。

ピアノが起き上がりました!
今、工房がひしめき合ってて、ピアノ全体が写せなのですが、磨いたこともあって、きれいになってきています◎
ピアノが起きたので、調整もはさみながら修理ができて、安心して作業が進められます。
内装仕上
ハンマーの弦合わせを行います。

フレンジを交換したので、走りや捻じれなど、相当大変で、やっと本体に合いました。

そして、第一整調へ。
筬も外したし、フレンジも交換したしで、キャプスタンとウイッペンの位置関係や、ウイッペンとハンマーの位置関係、鍵盤の高さ・深さなど、まず最初にいろいろ確認していくのにも、緊張感が走ります。
バラツキはあるものの、整えれば整うのが見えて、ほんと、ホッとしました。
何かを外したり、交換することは、元に戻せなくなるリスクもあることで、特に筬を外すのは、毎回、どのメーカーでも、棚に戻した時、整調が大丈夫と確信するまで、ソワソワします。

後は合わせるだけなので、第一整調→調律を行いました。
工房にきてすぐに、状態の確認のため一度調律した時は、スティックで調律するのも大変で、腕が疲れる感じだったのが、パーンと鳴って、音量がアップしました。
弾いても腕の疲れないピアノになったと思います。
あれだけ弾きづらかったのに、コツコツ練習されて、何年もレッスンを続けてこられたのは、『ピアノを弾くのが好き』というお気持ちからだろうから、そうおもうと、今回こうして修理されたことで、もっと弾きやすくて、もっと楽しい時間になるといいな、と思って、少しでもお力になれているといいな。
お引き取りして来たとき、半音以上狂っていて、かなり部品交換もしたので、しばらく調律と整調を重ねて安定させていきます。
本整調と調律を行います。

調律も整調も、ほとんど動きがなくて、一安心です。
あんなに弾きづらかったのが嘘のような軽やかなタッチ感で、なんせ動きが悪すぎて全く鳴らない感じだったのが、ppも、ffも、しっかり再現されるようなりました。
何がって、鳴り方が!今がこのピアノの本来の姿ですが、あまりに違いすぎて、ちょっとびっくりするんしゃないかな、と思って、きっと喜んでくださると思います!

マフラーも貼替て、

最後の最後までGの卵と虫食いに翻弄されました。。

ちゃんと新しく貼り換えました!
外装のチェックをしながら、組み立てて…

西条市・カワイBL71の修理の作業が終わりました。
虫食いがとにかくひどくて、痕跡を無くす戦いでしたが、内装も、外装も、虫感はなくなって、きれいになったと思います。
『ほかの作業もあると思うので、うちは半年でも待ちますから』と、最初から様々なお気遣いを頂いていたのですが、年末年始をこのピアノと過ごして頂きたくて、何とか年内に作業を終えられました。
納品まで数日、もうしばらくお待ちくださいね♪
お届け
朝から最終チェックを。

再度、鍵盤を上げて掃除して、整調を見直して、

ほとんど狂ってないけど、動きの確認や、調律のお伺いは年明けになるので、心を込めて調律しました。
そのまま納品の立会いのため、お客様のお家へお伺いさせていただきました。
納品されたピアノを見て、搬入段階からずっと笑顔で、設置されたピアノを見て、『きれい…』と、なんどもつぶやかれていたのをお聞きするたびに、こちらまでうれしくなりました。
今弾いている曲や、今まで弾いてきた曲などの楽譜を何冊も広げてピアノを弾かれて、『音が全然違う!きれい!』と、自然と溢れる笑顔をみて、このピアノを修理させていただき、こんなにも喜んで頂けて、私も心から嬉しかったです。
最後に
修理の様子も、ブログをご夫婦で見ていてくださっていたようで、それもうれしくて、最初の段階で、ご主人様も修理を一切反対することなかったことも、子育てを終えられて、いままで家族最優先で日々を過ごしてこられた奥様へ、言葉には出さなくても、『ありがとう』の気持ちがこめられていたからだと思うのです。
奥様もお見積りの段階で、『自分のために修理したい』と、これからを見据えての修理で、そのことも、ご自身の時間をより豊かにできるお手伝いができることが、うれしかったです。
普通の感覚でみると、ピアノの修理にかける費用は、高額で、特に今回も、決して安いと思いません。それだけに、修理があることや金額をお伝えするのも、申し訳なく思いました。
けれど、『柴田さん、こんなにしてもらって、大丈夫なん?利益ある?』と、お気遣い頂き、仕上がったピアノに、お客様がそれ以上の価値を感じて下さったことは、お客様のため、その一心で作業させて頂いている私にとっては、何にも代えがたい十分すぎることです。
お客様のために出来ることで、自然と溢れる笑顔になって喜んで頂けたことは、『その方にとっての一番のピアノにしていきたい』という想いで仕事をさせていただいている私にとって、お客様が与えて下さる最高に幸せな瞬間でした。
あまりにもお客様の笑顔がすてきで、いつもうれしくて泣きがちなのに、今日は思いだすと、やっぱり笑顔になります。
大きな修理にも関わらず、ご夫婦ですぐに決断下さり、こちらのことも様々お気遣いいただき、信頼して、すべて任せてくださり、ありがとうございました。
まだまだこの先、レッスンを続けられ、たくさんの音が響きますように♪
今後ともよろしくお願いいたします!

