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2025/06/06

今治市・ヤマハU300の作業まとめ

孫さんが帰省するときにピアノを弾くので、調律を…ということで、一度点検にお伺いさせて頂いたのですが、

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虫食いがあって、防虫剤も入っていたので、おそらく前回の調律(7年くらい前)の前から虫が入ってしまっていたようです。
加えて、バランスキーピンの錆がひどく、鍵盤を抜くのにも相当危険なかんじで…。
このままだと動きも悪く、錆でバランスホールが大きくなって鍵盤がガタついたり、鍵盤を抜くにも、かなりの抵抗感で、折れてしまう可能性もあります。
とりあえず状態をご説明して、ご相談させて頂いて、修理させて頂くことになりました。

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虫食いがいたるところで悪さをしている模様です。

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チューニングピンやプレッシャーバー、弦を磨いて、虫食いのあともきれいに掃除しました。

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ものすごくきれいなお家なのに、ピアノなかにはGの痕跡もありまして、

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そちらもささっと掃除しました。Gなんていそうもないきれいなお家なのに。。

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今回は、筬を持って帰るので、筬を外して掃除しました。
見た目より湿気ていて、ホコリも取れにくい感じでした。そういうところに虫は居つきやすい気がします。

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ジェルになるタイプの乾燥剤が破裂していて、慌てて取り除きました。
破裂したままにしておくと、大変なことになるのです。
流石にシミになったのは完全にきれいにできませんでしたが、木部もまだ腐食してなくて、オオゴトにならなくてよかったです。

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錆びたペダルも、

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ピカピカに磨きました。
ペダル磨きは、ヤマハでもカワイでも、第三メーカーでも、作業させて頂くピアノは全て磨いていて、喜んでくださるのがうれしいです。

アクションの方も動きが悪くて、自分的にかなり新しいピアノなのですが、このままだときちんと弾いていくのは難しいので、持ち帰って修理します。

お孫さんは関東のほうにいらっしゃって、なかなかピアノを持っていくのは難しいようですが、帰省の際、楽譜も持って遊びにいらっしゃるくらいピアノが好きなお孫さんだそうです。
そんなお孫さんのために、ピアノが弾けるとき、きちんとした状態で弾いてもらいたいお気持ちで修理を決めて下さいました。
おじい様、おばあ様共に、お孫さんがかわいくてしかたなくて、お孫さんの動画を見せてくださったのですが、美男美女で、楽しそうにピアノを弾いていて、ものすっごいかわいかったです。
しかも、お二人とも、とんでもなく進度が早くて!
そんなご様子なので、お二人も応援したいお気持ちなのだと思います。

お孫さんのために、というお気持ちと、小さな二人が本物のピアノを弾いて、上達の助けとなるようなピアノに出来るよう、しっかり修理させていただきたいと思います!

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アクションを解体します。

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ブライドルテープがベタベタしてて、とりにくいです。。
ピアノが置かれているのは応接間なので、油っぽいのは、ファルカス的なものなのでしょうか。

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バットでスティックしていて、お引き取りのとき、ものすっごい重くて弾きにくかったのは、ここも原因かもしれません。
今日は雨だったので、より動きが悪いみたいで、ピアノの中だともっと湿度がこもって動きが悪いと思われます。

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スプリングも、よくある折れ曲がり方のもあったり、なんで?っていう折れ曲がり方のものもあったり、無理に動くとこうなるのでしょうか? 
バットの戻りが悪い原因に、スプリングの劣化も考えられるので、スプリングも新しくします。

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フレンジコードも年式的にまだ大丈夫だと思っていましたが、茶色く変色したコードを軽く引っ張ると、あっさり破断してしまって、お客様が、ピアノの寿命なども気にされていたので、お孫さんが使ううちにまた修理とならないよう、今回新しくしておくことにしました。

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かなり新しく感じるピアノですが、ピアノ本体をさっと触った時の弾きずらさの原因は、解体するとはっきりしてきました。
新しいから、とか、古いから、とか、メーカーなどではなく、目の前のピアノを先入観なく判断しなくてははならないな、と、改めて思いました。

一年でかなり上達されたお孫さんですから、弾きやすい、弾きにくい、は、ピアノを触ると直感で感じると思います。『本物のピアノだと、もっと思ったようにピアノが弾ける♪』と感じて、おじい様おばあ様の前でたくさん弾いて聴いてもらいたくなるようなピアノに治していきたいです。

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消耗のみられるダンバーレバークロスを貼りかえます。

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まずは古いものを取り除いて、

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新しいクロスを裁断して貼り付けました。

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簡単に破断してしまうフレンジコードも、

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新しいコードに交換します。
まだ新しい機種の印象ですが、湿気の多いところだと、コード自体の劣化が早いのかもしれません。
修理するにあたって、ピアノの寿命やお孫さんが困ることがないかなど、とても心配されていたので、心配ないよう、交換しておきました。

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ハンマー関係の修理を進めていくために、まずは交換部品を取り除いきます。
バットスプリングとブライドルテープを取り除きました。

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ハンマーの戻りをサポートする役目が弱まっていたバットスプリングを取り付けました。
新しいものは、変形もなく、力一杯です。

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ベタベタのブライドルテープも、新しくして、すっきりです。

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ハンマーレールクロスが、ほつれほつれで、

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ダンパーレバークロスもほつれてるのが目立ったので、ほつれやすいクロスなのかも?です。
音には関係ないけど、気になるので、新しくしました!

動画で見たお孫さんは、ほんとにピアノが好きで楽しんで弾いているご様子でした。
きっとおじいちゃんおばあちゃんのお家で本物のピアノを弾けるのを楽しみにしていると思うので、ピアノが生きるようしっかり修理したいです。

ハンマー関係の修理、残すところはバットのセンターピン交換です。

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途中、フレンジに割れが入っているものがあったりして、気が付いてよかったです。

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他に割れているものはなくて、そこだけ新しいフレンジに交換しておきました。

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88本、センターピンを選びながら修理して、全てのバットのセンターピンを交換しました!
フレンジが戻らなかったり、動きが鈍いものは無くなって、軽快に動くようになりました。

ピアノの動きは連動しているので、原因はいくつも考えられて、アクションの方での原因と考えられるところは修理してよくなったと思います。

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ジャックスプリングを交換します。

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ウィッペンを外して、ウイッペンやジャックのセンターピンの状態も確認しつつ、古いジャックスプリングを取りのぞいて、ワイヤーやジャックを磨きます。

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ウイッペンを外した時に、スプーンも磨きます。
そこまで変色もしていませんが、触るとザラザラしていて、ダンパーレバークロスの消耗に繋がったり、雑音したり、抵抗感があったり、できるだけスムーズに動くためにも、スプーンはツルツルの方がいいです。

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一本一本、ジャックスプリングの交換と、ウイッペンの間隔も揃えました。
ジャックの戻りの良さは、連打性に関わってくるので、きっとお孫さんも弾きやすく感じると思います。

筬の作業も行ないました。今回のピアノで大きな気がかりとなった部分の一つです。

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バランスキーピンがとても錆びていて、重たいタッチの原因の一つと思われました。
点検にお伺いさせて頂いたとき、最初、簡単に鍵盤が外れる感じじゃなかったので、慎重に外すと、この状態で、このままだと、鍵盤が外れなかったり、錆が柔らかい鍵盤のホールを削って、ガタになったり、良くないので、バランスキーピンの交換を行います。

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キーピンを磨いて、そのうえでダメそうなものを交換しました。
虫食いのあったバランスパンチングクロスやフロントパンチングクロスも全交換して、きれいな状態になりました!
あのままだと重たいし、どんどん状態もわるくなりそうだったので、これで安心です、
まだ小さなお孫さんですから、負担なくよいタッチで弾けるので、お孫さんが帰省されたとき、たくさん弾いても疲れないと思います!

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ダンパーを取り付けました。
解体前、かなりよい取り付けだったので、きちんともとのようにつけて、その上で少しだけ修正しました。

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レール類も取り付けて、

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ハンマーを取り付けました。
間隔やねじれ、走りをみたらアクションの修理が終わります。

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あちこちでちょこちょこ虫食いで、ブッシングクロスを貼りかえます。

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まずは、古いブッシングをきれいに剥がします。

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中に削った粉が残らないよう、しっかりエアーで飛ばします。

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バランスのブッシングを貼りました。88キーに星がついていて、かわいいです。
今日お伺いしたお家はUX30BLで、納品待ちのU30Wn、そこまで製造年はかわりませが、どっちとも☆はついてなかったです。

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フロントもビシッと貼れました。あと少しで修理が終ります!

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ブッシングが貼れました。
穴を通さないタイプなので、深さを確認して、切り口などチェックします。

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フロントも大丈夫そうです!

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ワイヤーやキャプスタンを磨いて、バフをかけて鍵盤を磨きます。

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黒鍵もきれいになりました。

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筬があるので、鍵盤をいれて確認しました。
キーピンがかなりさびていたので、鍵盤が抜けにくかったあたり、バランスホールがガタになっていないか心配でしたが、問題なくて、ホッとしました。

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センターピンも交換していますし、かなり時間をかけて走りや間隔をしっかり見ました。
修理されていても、ただハンマーを取り付けているだけでは、きちんと正しい位置で弦を打つことができないです。そのまま変な位置で打鍵し続けると、ハンマーが歪になったり、弦を打ってなくて、音の大きさなどが揃わなくなります。
しっかり見たので、あとは納品のとき本体に合わせます。

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ブライドルテープを取り付けて、アクションの修理が終りました。

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マフラーと鍵盤押さえのフェルトも貼替ました!

実際には難しそうですが、お孫さんが弾いて、『このピアノをお家にもってきてほしい!』と思ってくださるようなピアノになればいいな、と思いながら作業をさせて頂きました。
後はお客様のお家での作業になります。

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元あったところに筬をとりつけます。取り付け位置を間違うと大惨事になるので、気をつけます。

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元々かなり取り付けがよかったので、ダンパーの位置も大丈夫そうです。

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キーピンの交換をしたところも、鍵盤の傾きもなく、位置も大丈夫なので、

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ピアノが落ち着くまで何度も整調と調律を行います。
23年ぶりの調律で、かなり音が下がってて、フェルト関係も一新したので、三回くらいやって、仕上がりました。

終るころおばあ様がやってきて、『わぁ!きれいになって♪』と、驚いていらして、嬉しかったです。

お孫さんが来る日が決まっているみたいで、帰省をとっても楽しみにしているご様子でした。
『うちに来るのなんか、小さいうちだけやろし、いつまで続くか…』とおっしゃられながらも、ピアノが好きなお孫さんのために環境を整えて差し上げるのは、おじい様おばあ様共に楽器をされていたことや、やっぱりお孫さんが音楽をするのを応援したいからだと思います。そんなお気持ち、すごく素敵ですね。

作業中、お昼のお気遣いも頂きまして、恐縮です。

最後、おじい様おばあ様一緒に外まで見送ってくださって、きっとお孫さんも、そんな温かいおじい様おばあ様に会えるのを楽しみにしていると思います。
早く夏休みになるといいですね。

遠方のお孫さんが本物のピアノで正しい音で練習できるように、ということでご依頼いただき、この先20年は問題なく使っていただけるピアノになったと思います。
この度は大きな修理を任せて下さって、ありがとうございました!

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今後ともよろしくお願いいたします!

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