piano blog

作業の様子を見る

2025/08/26

西条市のカワイ・エンペラーMY808Eの作業まとめ

西条市のカワイ・エンペラーMY808Eです。

100_2138

エンペラーはカワイの特約店さん仕様のピアノで、ME808Eは、そのなかでも最上位モデルで、ハンマーは、ドイツのレンナー社のものが使われています。かなり重厚ですが、猫足のかわいいピアノです。

もともとディアパーソンをお持ちだったの方のピアノが、たくさん弾いてアクションや鍵盤、ペダルも不具合が続いて、修理するか、買い替えるか、というところまで来てしまっていました。
長いこと悩んでいたところにこちらのピアノが入荷して見に来ていただくと、大変気に入って、買い替えることになりました。上のお子さんは合唱で伴奏をしたり、下のお子さん方もまだまだピアノを頑張っていくご様子で、この先心配なく活躍していくピアノに仕上げたいと思います。

100_2146

バックの掃除をしました。すごくきれいな状態で、いかにもいい音がしそうです。

100_2142

元々傷も少なくて、さっと磨いてこんなにきれいです。

100_2149

チューニングピンや弦も錆びはなくて、ほこりを丁寧に取り除いて、ピカピカです。
本体やパーツは磨き終えて、明日、本体を寝かせて足回りなども徹底的に磨きます。

中の方も同時に作業を進めます。

100_2150

エンペラーですが、カワイのピアノなので、カワイのアクションです。

100_2152

外装もですが、内もかなりきれいです。

100_2155

アクションを解体しました。
かなりきれいですが製造から34年経つピアノで、この年式のカワイのピアノで気がかりとなる部分は、きちんと治してお納めします。
現段階で、バットのセンターピンの全交換、バットスプリング、ジャックスプリングの全交換、ダンパーレバークロスの貼替、バットスキン・キャッチャースキン・バットフェルトの貼替、鍵盤のパンチングやブッシングクロスの交換を予定しています。

なかなかここまできれいなピアノも珍しく、ピアノをどうするか悩んでいて、そんなときにこのピアノが入荷したのはきっとこのピアノにご縁があったからだと思います。
長く大切に使っていただけるよう、しっかり修理していきます。

ピアノを磨きます。

100_2174

響板の下や駒の上などもきれいにしていきます。

100_2176

きれいなのですが、全部見直します。販売されるピアノなので、前の痕跡はできるだけなくします。

100_2179

ペダルも一旦リセットです。黒ラックも塗り直します。

100_2195

ピアノを起こしました。

100_2196

キーピンもピカピカに磨いて、キーバックレールクロスやバランス・フロントパンチングも一新しました。フロントパンチングクロスはグランドのものが入っていたので、おなじものにしました。

100_2192

こちらも、窓フェルトやスライドスキンなど、新しくしています。

これから本格的な修理に入ります。

100_2202

ジャックスプリングの交換と、ジャックやウイッペンの動きも気になったので、センターピンも全て交換します。
雨のせいか、どうしても動きが鈍くて、せっかくピアノが新しくなるのに、重たくて弾きにくいと、悲しいです。

100_2204

一つ一つ、ウイッペンを外して、修理して…を繰り返します。

100_2206

スプーンも磨きつつ、作業します。

100_2208

ロッドも磨いて取り付けました。

100_2210

全てのジャックスプリングの交換と、ジャック・ウイッペンのセンターピンの交換が終わりました。
バットのセンターピンも動きが悪かったので、ジャックとウイッペンも怪しいと思ったのですが、修理中に交換したところとまだのところを比べると、抵抗感とか、戻り方が全然違ったので、やってよかったです。
皆さんがストレスなく弾いていけるピアノにしたいです。

100_2216

ダンパーレバークロスの貼替を行います。
古いクロスをコツコツ剥がします。

100_2218

新しいクロスを裁断して、貼り付けました。

100_2220

ダンパーレバーをアクションに取り付けました。後日、本体と合わせます。

100_2230

ハンマーの修理にはいります。
これから、バットスプリング、バットスキン・キャッチャースキン・バットスキン・ブライドルテープ、バットセンターピンを交換します。

100_2233

まずは部品を取り除くところからですが、かなり難航して、ほとんどすすんでいません。

100_2235

時間がかかっても、完全にスキンなどは取り除く必要があるので、丁寧に作業していきます。

100_2240

やっと半分くらい、部品が取り除けました。まだまだ作業が続きそうです。

100_2248

今日もコツコツとキャッチャースキン、バットスキン、バットフェルト、バットスプリング、ブライドルテープを取り除きました。

100_2245

やっと88本、取り除きました。とにかくコツコツ、地道にやるしかなくて、やっと終わりました。

100_2253

高さや間隔を揃えて、止音も大丈夫です。

100_2261

キャッチャースキンを貼り付けます。
剥がすのも大変ですが、ぴったりに裁断して空気が入らないように貼るのは、とても気をつかいます。

100_2264

キャッチャースキンを貼り終えました。

100_2265

バットスキンを貼り付けます。スキンを裁断したら、まず片方を接着して、

100_2279

たるんだりしないよう、しっかりひっぱって、

100_2274

ぴたっと貼り付けます。
きちんと皮目に気を付けてなだらかに貼らないと、ジャックの戻りを阻害してしまうので、貼るのも気をつかいます。

100_2269

やっとカタチになってきました◎

100_2290

バットスキンを貼り付けました。

100_2291

やっといつものようなバットになりました。山を越えました。

100_2316

バットスプリングと、

100_2318

ブライドルテープを取りつけました。

100_2325

カワイはどうしてもフレンジの動きに不安があって、とくにこの世代のものは、かなり症状がでやすいように思います。
その場しのぎのファルカスで一時的に症状が出なくなっても、時間がたてばまた動きは悪くなります。目の前の一瞬、自分が見ている時だけよくなるのでだはなく、お客様のお家にお納めしても症状が復活しないことが大切だと思うので、しっかり修理して不安のない状態にします。

100_2327

バットのセンターピンを全部交換し終えて、動きの心配はなくなりました!

100_2329

ハンマーレールクロスも新しくして、外していたレール類を取り付けました。

ブッシングクロスをはりかえるので、ブッシングクロスを剥がしました。

100_2334

バランスと、

100_2336

フロントのブッシングクロスを剥がし終えました。
フロントがとにかくデリケートでささくれやすいので、注意して作業しました。

ブッシングクロスを貼りました。

100_2337

バランスは、穴を通さないタイプで、

100_2340

バランスもフロントも、深さに気を付けて貼っていきます。きれいにブッシングクロスを貼っていくには、いろいろ気をつけなくてはならないですし、失敗すると剥がれてきたり、スティックして不具合につながりやすいので、単純なようで、かなり気をつけなくてはいけない作業です。

100_2341

バランスも、

100_2343

フロントもきれいにブッシングクロスが貼れました。

100_2346

白鍵と

100_2344

黒鍵、バフをかけて、黒ラックをぬったり、消耗しにくい処理をして、

100_2348

鍵盤が仕上がりました。

100_2350

本体に合わせて走りや間隔、捻じれ等を細かく合わせて、ブライドルテープを取り付けました。

100_2354

鍵盤の調整から始まって、先ず調律ができる状態にして、ざっと音をあげてから整調にはいります。何度も調律と整調を行って、だいぶ安定してきました。

100_2356

鍵盤をあげてしっかり掃除して、

100_2358

整調と調律を行いました。

100_2360

ペダルを再度磨いて、底板もしっかり掃除して、

100_2363

外装を組んで、また、整調、調律、整音を行って、大分まとまってきました。
何度もやっておくと、お納めした後、一年弾きこんでいただいても、調律や調整関係はほとんど動かないので、よい状態で弾いていただくためにできるだけ作業を重ねます。

100_2368

キャッチャーやバットスキンを交換しているので、交換前の独特の抵抗感やリバウンドすることなく、ピアニシモもフォルテシモもしっかりでるようになり、完成しました。

今日は、西条市・エンペラーMY808Eの納品があるので、最終検品を行ないました。

100_2398

もう一度しっかり調律して、整調をみなおしました。
バットスキンにジャックが引っかかることもないし、ppでもffでもしっかりバックチェックします。鍵盤もバット、ウイッペンもスティックなく、お納めしてもきっと大丈夫です。

100_2402

この年式のカワイのピアノの心配なところはきちっと修理して、心配ない状態となっています。
先代のピアノと同じように、これから皆さんでたくさん弾いていってくださるといいな、と思います。

一覧に戻る
相談する