西条市に移動・カワイKS1Fの作業まとめ

いきさつ


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今治市内のご実家からクリーニングと修理を行って、西条市のご自宅に運び入れます。

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まずは裏を掃除します。
もともと2階にあったからか、ほこりはさらっとしてる感じです。

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いろいろ頑張って、きれいにしました。

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さらっとはしていますが、かなりほこっていて、点検にお伺いした時、奥様がとても気にされていました。

もともと奥様のピアノで、これまで電子ピアノでがんばってこられていた小学生の娘さんが、アコースティックピアノとのタッチの違いなどから、できればアコースティックピアノで練習したい、と仰られたことをきっかけに、ご自宅へ運ぶこととなりました。

点検自体はご実家だったので、修理の内容で判断になやむ点もあって、一度設置予定の場所の確認にお伺いさせて頂いた際、ご夫婦が熱心にご自宅の環境について教えて下さり、ギターをされるご主人様で、とても楽器に理解があるご様子で、皆様に修理の内容もしっかりご相談させて頂けました。

とてもおしゃれな娘さんで、雑誌から出てきたのかとおもうくらい大人びたおしゃれさんで、きっと美意識が高いから、ホコリとか絶対いやだろうし、ピカピカに磨いて、せっかくアコースティックピアノを迎え入れられるのなら、弾き心地も音も、正しくして、より楽しく練習できるお手伝いができればいいな、と思っています。

かなり大変な二階からの搬出で、それでも娘さんのために搬出されて、『きれいに、心配ない状態にして弾かせてあげたい』という想いにお応えできるよう、しっかり作業していきます!

外装、内装クリーニング

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白っぽいくなっているの、軽く『よごれかな~』と思ったら、擦り傷でした。。
ちょっとしっかり磨いていきます。

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黒さが戻りました◎
久し振りにしっかり磨いてて、『あぁ、磨きもやっぱり楽しいな』と、思ったり、『この傷は、私はポリッシャーで消せるかな』と思ったり、ピアノの仕事は、掃除も磨きも、修理も調律も、何もかも、楽しいです。

そんなこんなで、擦り傷と戦いながら、立てたまま磨けるところは磨いて、チューニングピンなども、磨いていきます。

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ぱっと見、きれいな感じですが、

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比べると、ホコリとかついていたんだな、と思います。

そして、ピアノを寝かせて、底板の作業に入る前に、一本、どうしてもジン線が治らなかったので、巻線をまいていただくため、弦を取り外しました。

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データがないらしくて、早速、浜松の若社長さんのもとに送らせて頂きました。

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ピアノを寝かしてので、駒の上や響板なども、しっかりきれいにしました。

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窓フェルトも新しく貼り換えました。

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ホコリが積もっていた底板は、

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一旦部品を取り除いて、掃除してから黒ラックを塗ります。ホコリ自体がさらっとしていて、きれいにしやすかったです。

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ペダルも磨いて、きれいになったと思います!

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汚れの目立つ鍵盤蓋も、

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磨くとピカピカになります!

アクション解体


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アクションを解体していきます。

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さらっとしてるホコリが結構あります。

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バットがガタだったり、キャッチャースキンがちょっとアレなので、そのあたりを中心に作業していきます。
環境的に、センターピンの交換で大丈夫そうで(お客様のお家のあたりは、場所によってかなり湿気があって、最初、お客様も湿気を気にされていたので、一度下見にお伺いしました。)よかったです。

慎重に作業しなくてはならない部分もあるので、気を付けて作業していきます!

ジャックスプリング交換

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ウィッペンは大丈夫そうですが、ガタやステックを確認しながら作業をすすめます。DSC_6544

外したパーツそのものも一つ一つきれいにして、弱ってしまったジャックスプリングを交換します。DSC_6545

ジャックスプリングを新しくしました!

スプーンも、一つ一つみると、赤茶になってて、錆びそうで、このままだと、弾くたびにダメージが与られそうです。。

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外した時にしっかり磨いてピカピカです。88個、全てジャックスプリングを交換しました。早く手元にピアノが来るのを楽しみにされているので、明日も頑張って作業をすすめたいです!

ダンパーレバークロス貼替

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古いクロスを剥がします。
パッとはがせる方法はないので、根気よくコツコツ剥がして行きます。

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裁断したクロスをぴったり貼り付けて、

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アクションに取り付けます。  

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元々かなり微妙だったので、とりあえず本体につける前に修正して、また本体に合わせます。

昨日から引き続き、キャッチャースキンを剥がしていきました。

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やっと、全部剥がしました!
こうなるのに、くじけてしまいそうですが、がんばりました。
裁断や貼付けも気を遣うので、、頑張ります!

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キャッチャースキンを貼り付けます。
幅ぴったりに裁断するのも、空気が入らないようにぴしっと貼付けるのもほんとに気を遣います。

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すべてしっかり貼り付きました◎

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バットスプリングと、

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ブライドルテープを交換して、

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バットのセンターピンを全交換しました。
バットプレートのないタイプで、本当なら、積極的にしたい感じではないですが、ガタもあって、ハンマーがブレてうってしまっているもの多数で、全交換しました。

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慎重に、ブッシングもうちぬかないように、慎重に。。
いい塩梅が難しくて、ちょっと時間がかかりましたが、全て交換しました!

気が付くと修理自体は終わったようで、あとは鍵盤を磨いて、ダンパーを合わせて、アクションを組み立てていくことになります。
弾くやすくなっているといいな♪

鍵盤のクリーニング

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元々かなりホコリが積もっていました。
奥様がご覧になって、『このへんもきれいになりますか?』と、とてもきにされていた部分なので、しっかりきれいにしていきます!

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鍵盤自体も汚れて、さすがにこのまま弾きたくないですよね。。

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バフをかけて、触ってもざらっとしなくなりました!

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案外よごれる小口も、

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しっかりきれいにしました。

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黒鍵に黒ラックを塗ったり、ポストワイヤーやキャプスタンも磨いて、木部もしっかりきれいにしていますので、大丈夫です!


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キーピンも磨いて、バランスとフロントパンチングクロスを交換しました。

仕上げ

アクションを組み立てていきます。
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工房で大体の位置出しをしていたら、今回は思ったよりいい位置でした。
最近は、本体がある修理をさせていただいて、現場で震えること減りましたが、あの緊張感と集中から磨かれるものがあるので、元々微妙だったダンパーをあえて本体なしでやってみたりしました。
アクションのみのお引き取りの修理の時、ダンパーやハンマーの取り付け位置をより正確に合わせられないといけないので、保たなくてはならなくて、より精度をあげなくてはならない技術です。

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少し見直して、止音もばっちりです!

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ほこっていたハンマーレールクロスも、

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新しくなりました。

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荒れたキャッチャースキンに削られたバックチェックフェルトが付いてしまっているので、

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しっかりきれいにします。レール類を外さないと、見落としがちです。

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レール類を取り付けました。ホコリ感はなくなりましたね◎

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ハンマーを取り付けて、走りや捻じれ、間隔を見て、

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鍵盤を入れてみました!

修理自体はいつも通りですが、音の狂いが大きかったこともあって、整調→調律を何度も繰り返しました。

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外装を組み立てながら磨いて、一通りの作業が終わりました!

かなりほこりもあって、奥様がものすごく気にされていたのですが、中も外もすっかりきれいになり、これならおしゃれな娘さんも、喜んでくださると思います。

あと、納品まで調律と整調をして、少しでも安定した状態で納品できれば、と思います!

カワイの出荷前検品を行いました。
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とてもほこりを気にされていましたし、いつものようにもう一度鍵盤をあげて掃除して、

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もう一度調整関係を見直して、調律をしました。
殆ど変わっていなかったので、安心しました。
怪しかったキャッチャーのくわえもしっかりして、しっかり音が鳴るようになりました◎

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外装も見直して、納品の準備万端です!
明日のかなり遅い時間に納品のようで、立ち合いはできないのですが、無事に納品されますように。
きっときれいになって、今までより弾きやすくなるので、喜んでくださるといいな♪

納品されて

元々電子ピアノで頑張っていらした娘さんが、メキメキ上達されて、アコースティックピアノで弾きたいということでお母様のご実家にあったピアノをクリーニングや修理をして移動だったのですが、お伺いすると、楽譜にはたくさんの書き込みがされていて、コツコツ練習しているのが伺えて、私も応援したい気持ちになりました。
娘さんが、『こっちのピアノの方が弾きやすい!』と仰って練習中の曲を弾いてくださり、お母様も、『周りの子たちが辞めていく中で、ピアノがきて、モチベーションが上がって、修理してよかったです。ありがとうございました。』と仰ってくださって、嬉しかったです。

コンクールに向けて、楽しみながら練習してくださいね。

難易度高めの二階から移動させるのも相当な決断で、きっと頑張る娘さんを応援したいお気持ちでご依頼くださって、お任せくださり、ありがとうございました。

今後ともよろしくお願いいたします!

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