四国中央市へ移動・ヤマハUX50BLの作業まとめ

いきさつ

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娘さんがピアノを習い始めるということで、新居浜市のご実家から四国中央市へ移動することになっています。

ピアノはヤマハUX50BLで、お客様のお家に調律へお伺いしても、なかなか出会う機会の少ない、アグラフ付き、ソステヌート付き、X支柱の当時の最高級のアップライトピアノです。
ピアノの展示会で一番良いものだったそうで、展示されていたピアノの中でも別格の扱いで、私が営業さんだったとしても、胸を張ってオススメしたと思います。
たくさんのピアノがあるなかでオススメされたこともあって、『頑張って買いました。』とおばあさまがおっしゃっていました。
改めてこのピアノのことをお伝えして、『ご負担のあることで、修理など今回は見送られてもかまいませんので、ご事情が許すのであれば、どうか手放さずお手元においておいてください。』とお伝えすると、どうであっても、置いておくとおっしゃっていました。

娘さんがピアノを習うにあたって、最初は電子ピアノにしようと思ったそうなのですが、娘さんが電子ピアノを弾き比べていくと、タッチの良いものを希望されたそうで、お母様がいろいろ調べていくうちに、『実家のピアノが使えるのなら、実家のピアノを使う方がいいのかも…』ということでさらに調べて、『しまなみpiano』にたどり着いたそうです。
なので、最初から虫食いがあることがあったりすることや、ピアノそのもののこともものすごく詳しくいらっしゃいました。

状態的には軽度なので、本体を移してアクションと鍵盤のみ引き取ってくることもできたのですが、『虫は嫌だし、Gは絶対いるだろうし、このピアノがいいピアノだから、ちゃんとしてから迎え入れたい』ということで、ピアノ自体をクリーニングさせて頂くことになりました。

最初からこちらが恐縮するほど丁寧に対応してくださり、今日も搬出されるとすぐにご連絡くださって、調律に出ていて気がかりだったので、とても安心しました。
ピアノを迎え入れることにとても真剣でいらして、そのようなお客様のピアノに関わらせて頂けることがうれしいです。

引っ越しが多かっても、ピアノのおけるお家を探されて、ピアノとともに引っ越しされて、ずっとともにあったピアノがご実家から無くなってしまうことが、おばあさまも少し寂しいようで、『でも、孫がつかってくれるなら!』と、いったお気持ちや、娘さんのためにたくさん調べて、『いいピアノならなおのこと、そのピアノのあるべきいい状態で、きれいにしてピアノを迎え入れたい』という想いに応えられるよう、精一杯、作業させて頂きます!

まずは裏の掃除から行います。

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運送屋さんが引き取りの時、ホコリをかるく落としてくれています。
よく見ると、不意に触ってしまって『パリッ』という音とともに落ちたGの卵や隅っこにGの落とし物があって、徹底的にきれいにします。

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はりついたやつなどもしっかり掃除して、きれいになりました。

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ピアノの中はうっすら虫食いで、なにものかの脚っぽいもの?が落ちていたりします。

今日は状態をじっくり見て、必要そうなことを見立てました。

外装、内装クリーニング

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立派な立派なピアノです。
週末には寝かせたいので、本体を磨いていきます。

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そんなにひどくはないけど、油っぽい感じもあって、しっかり艶が出るまで磨きます。

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艶が復活しました!

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ホコリはたまってしまうものなので、

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一旦取り外してから、磨いて、

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取り外したパーツの溝にあったホコリもすっかりきれいになりました!
YUAもそうでしたが、腕木も重厚感があって、凝った造りで、高級感がありますね。

今日は上半分を磨きました。
画像は加工などしていませんが、お客様が実際に見た時、ブログで見たよりきれい!と思って頂けるよう、しっかりクリーニングしていきたいです。

立てたまま磨けるところは磨いて、パーツも磨きます。
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上前板も重たくて、いつも落とさないよう、ものすごく気が張ります。
ギーギー雑音もしていますし、きれいにするのになるべく分解して、掃除や磨きを行います。

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この辺りは、分解しないときれいにできない部分です。

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ホコリを飛ばして、そっときれいに拭いたりします。あみあみがデリケートで、穴をあけてしまいそうで、毎回怖いです。

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点検にお伺いさせて頂いた時、おばあさまが一番最初の最初に、『ほったらかしで、なにもしてなくて…ほら、こことか…』といって気にされていた譜面台の下になる部分です。
ここもお客様が掃除するのは大変かもしれない部分なので、お気になさらず、きれいになるので大丈夫です。

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しっかり磨いていって、きれいになりました!

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ギーギーいっていた雑音を治して、パチンと止めて、また引き出すのに、硬い感じがしたのも、すんなり動くように調整しました。
無理にやって手を挟んだりしたら…想像しただけでも震えます。
まだお会いしたことないけど、小学生の女の子が弾くのです。
それだけでいろいろ気になって、ちょっとの違和感も取り除いてからお納めしたいです。

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鍵盤蓋も、蝶番がおさまっているところにホコリやごみがつまりがちなので、

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きれいにして、黒ラックを塗ります。
ちらっとみえる程度の部分ですが、そのちらっとも、黒い方がピアノがしまって見えるというか、黒いピアノに黒じゃない部分があると、きれいに見えなかったりします。

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鍵盤蓋も磨いて、拍子木や鍵押も磨いて、パーツは磨き終えました。

内も、立てたままクリーニングできるところをクリーニングしていきます。
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弦のさびや、ホコリや、

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チューニングピンのさびなども、

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コツコツ手作業で磨きます。

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筬は、なにものかの脚?的なものがあったり、うっすら虫食いパンチングなので、

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キーピンを磨いて、キーバッククロス、バランス・フロントパンチングクロスを交換しました。
ピアノを寝かせるまでにやっておきたかったことは終えました。

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やっとピアノを寝かせられたので、本体のクリーニングです。
もう一度弦やチューニングピンを磨いて、駒の上や響板もきれいにしていきます。

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ペダル関係も、フェルトはちょっと虫食いだったりして、

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ピカピカになりました!顔が映ります◎

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虫食いで、ほこって色が変わってしまっているフェルトも、

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新しくしました。フェルトがきれいになると、ぐっときれい感が増しますね。

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上の方も、

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足回りの方も、すっかりきれいになりました◎

凝った作りで、凹凸が多くて、手磨きも織り交ぜながら磨きました。
喜んでくださるといいな、と想いながら作業するのは気持ちも前向きになるし、仕事でそういう気持ちにさせていただけることは、とても幸せなことですね。

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寝かせていたピアノを起こしました。

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なんか、明るくさっぱりしました。

汚れた丁番は、

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顔がうつるくらいピカピカに磨きました◎

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これからいっぱい練習して、もっとお姉さんになった時、夜もしっかり練習できるよう、DSC_7712

マフラーも新しく貼り換えました。

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鍵盤押さえのフェルトも新しくしました!

アクション修理

四国中央市へ移動・ヤマハのアクションを解体しました。

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ハンマーの接着剥がれがあったりするので、センターピンが抜けてきていたしてないかな、とか、虫食いはないかな、とか、いろいろと点検しながら解体します。

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お客様がこれまでピアノを置いてこられた環境等、詳しく教えてくださっていたので、すごくやりやすいというか、これまでのことを教えてくださっていると、なぜ不具合が出ているかの原因をなんとなく見立てれるので、修理するにもやりやすいです。

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解体して、アクションの方には虫食いがなかったので、ホッとしました。
新たにピアノを習い始める娘さんが、年数が経つことで劣化した部分があるピアノではなく、きちんと正しいピアノで練習できるよう、ピアノを治していきますね!

ジャックスプリング全交換

ジャックスプリングの交換をします。
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ものすごいネジが緩んでいて、そんなだったので、ガタも心配で、一つ一つ確認しながら作業します。

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ジャックの汚れをきれいにして、ジャックスプリングを取り除いて、スプーンを磨きます。
けっこう新しい方の年式ですが、ぶちぶち千切れてしまいやすく、なるべく千切れないように気を付けて。。溝に残ると、きれいにするのが大変でなのです。
私はこのお客様のためにもっと何かできないかな、と想いながら、私の技術では特別なことはできないかもしれないけど、せめて一つ一つをしっかりきれいにして、できることでお気持ちに応えたいです。

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新しいものを取り付けました。
古いままでも一応機能しているのですが、新しいのと古いのを比べると、まるで反応が違います。

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88キー分、ジャックスプリングを全て交換してました。
ダンパーロッドも磨いて、ソステヌートのロッドも、きれいに掃除しました。
ここまで分解することは、何十年も先だろうから、念入りに掃除しておきます。

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アクション自体のホコリもクリーニングして、元々新し目なこともあって、きれいさが増しました。

ダンパーレバークロス貼替

四国中央市へ移動、ヤマハUX50BLの作業を行いました。
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ダンパーレバークロスを貼り換えます。

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古いものを取り除きます。ソステヌートのやつがあって、ちょっともたもたしました。
それにしても最初にこのシステムを思いついたお方は、ほんとにすごいですね。
何事もゼロから生み出すことは、とんでもないことです。

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そんなことでいろんなことを想いながら、裁断したダンパーレバークロスを貼り付けます。

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貼り付けたので、ダンパーを取り付けました。とりつけただけだと、バラバラなので、

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少し修正しました。最近は本体がある修理が多くて、それだとアクションのお引き取りの修理の時に精度が出せないので、二度手間になるかもしれませんが、一旦合わせて、本体で答え合わせさせていただこうと思います。逆に、これで精度が出てたら、一番いいですね。

ハンマー関係の修理 (フレンジコード貼替、バットスプリング全交換、ブライドルテープ全交換)

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古いバットスプリング、ブライドルテープを取り除きました。

フレンジコードは、年式的にまだ切れてなくて、やろうかどうしようか迷ったのですが、このピアノが、また大がかりな修理となるのは何十年も先で、その間にコードだけが劣化して、また修理、となると、またアクションの解体をするのも、ピアノには負担かな…と思って、
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そんな大変でもないし、作業することにしました。

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新しくコードを貼りました。
なんとなく気持ちが引っかかる状態だと、今後ずっと関わらせていただく上で、もやもやするだろうから、貼り換えて心配ないです。

ハンマー関係の修理も進めました。

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バットスプリングを交換します。
今から習う娘さんが、正しい状態で練習できるよう、弱りつつあったスプリングを、しっかりしたスプリングに交換しておきます。
昔、楽器を習っていたころ、先生に『なくて七癖』といわれ続けていたせいか、楽器にしても、ピアノにしても、本来の正しい状態だと、癖がなく素直に音が出せるような気がして、そんなことを思い出しながら、娘さんが長く楽しくレッスンできたらいいな、と想いながら作業しました。

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古い感じになってたブライドルテープも貼り換えました。

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フレンジも取り付けて、ハンマー関係の修理が終わりました。

房では、四国中央市へ移動、UX50BLの作業を行いました。

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ダンパーの調整を行いました。
だいたいいけていたけど、高音側はちょっと修正しました。
だいぶ時間短縮できたけど、一発でいい所にもっていけるよう、経験を重ねていかなくてはならないです。

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レール類を取り付けるため、ハンマーレールクロスも貼り換えます。

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新しいハンマーレールクロスに貼替て、

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レール類が取り付きました!
いよいよ仕上がっていく感があって、この感じが好きです。

鍵盤関係の修理 (バランス・フロントブッシングクロス貼替、クリーニング)

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酷いわけではありませんが、虫食い(虫ハウスも)があるので、すべて貼り換えます。

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バランスと、

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フロント、コツコツすべて、取り除きました。
そんなに被害はないのに、穴の中にはハウスが集団でいたりして、そのまとまった様子が、なぜだかものすごく苦手で、それを取り出していくのも悲しくなってくるくらい苦手ですが、いままで何度も中途半端で再発しているのを見ているので、絶対、ひるまないと決めています。

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今日はここまで貼りました。

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朝のうちに、バランスブッシングクロスを貼って、

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今日にうちにフロントもすべて貼りました。

これで、四国中央市へ移動・ヤマハUX50BLの修理は終わりました。
後は完成に向けて、ハンマーを取り付けたり、鍵盤を仕上げたり、整調したり…あ、長丁番んも磨いてなかったです。。もう少しかかりそうです。
6月の頭からレッスンは始まってしまっているけど、いつも急かすことなく、まめにこちらの体調までもお気遣い下さるお方で、だからこそ、全部の作業に意味を持って、自信をもって娘さんのために治しました、と言えるピアノに仕上げたいと思っています。
もう少しお待ちくださいね。

工房では、四国中央市へ移動・ヤマハUX50BLの作業を行いました。
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しっかりブッシングが貼り付いていて、どんどん作業をすすめます。

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黒鍵をクリーニングして、黒ラックを塗ったり、ワイヤーやキャプスタンも磨きます。
やらなくても機能的には変わらないけど、案外汚れてて、きれいにしたほうが、よりきれいになるので、黙々ときれいにしました。

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白鍵は、お母様がマジックで書かれた音名を気にされていたのですが、

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すぐのすぐにきれいになるものなので、

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すっかりきれいになっていますよ。
ネットで消し方も検索されたようで、やり取りを重ねる度、お気遣いのお言葉をかけてくださる丁寧なお方なので、少しでも作業の負担を減らそうというお心遣いだったのだろうな、と、感じました。
きれいにするのが仕事なので、作業自体はなんでもないですが、そういうお心遣いがうれしく、鍵盤を見て喜んで下さるといいな。

仕上げ

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ハンマーを取り付けて、間隔や走り、捻じれを見ました。
アクションは組みあがって、早く鍵盤を仕上げて、調律がしたいです。

鍵盤が仕上がったので、ピアノにおさめます。
ブッシングはぴったりでした。

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ざっときちんと動くようにして、高音が半音近く下がってたので、とにかく何度も調律して、整調して、なんとなく整調も落ち着いてきたところで、しっかり調律しました。
この時が好きな瞬間できちんとした整調のアクションで調律すると、これまでが嘘のようにピアノが起きてくる感じです。
もうレッスンに通い始めている娘さんが、練習が楽しいと思える、いい意味で癖のない正しいピアノに出来たらいいな、と思って作業していたので、まだ完成ではないけど、ピアノに必要だと思う作業をさせて頂いて、この段階でやっぱりいいな、と想えるピアノになっていて、これから整調を詰めて、整音もして、本格的に仕上げていきます。
納品日も決まったので、それまでに安定した状態で納品したいです。

元々が最高級機種ですから、良くならないわけなくて、お客様が修理してよかったと思ってくださるといいな。

また調律して、細かく合わせて、また調律して、整音して…
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と、しっかり精度を出して、仕上げました。
ピッチ自体は下がることもなくなっていて、タッチもそろって、しっかり鳴り響きます!

外装もチェックしながら組み立てていきます。

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お母様が気にされていた音名はすっかり消えて、

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おばあさまが気にされていたトーンエスケープメントの汚れもすっかりなくなりました!
ギーギーいっていた雑音も解消されて、引き出すのもスムーズで、これだとケガしないと思います◎
すっごいピシッとした雰囲気のピアノに仕上がりました♪

ピアノを始めたばかりの娘さんのため、どうするのがいいのか、たくさん調べるうちにしまなみpianoにたどり着いてくださり、縁を感じて下さって、そこから流れがついて一気に話がすすんで作業が始まり、6月末には納品です。
やりとりの際、お聞かせくださる娘さんのご様子に、まだお会いしたことはないけれど、娘さんにとって、『お母さんが治してくれたピアノ』を生涯、大切に弾き続けることができればいいな、と想いながら作業するのがとても楽しかったです。
そして、娘さんのためにピアノを修理して迎える準備をされるお母様のお姿に、親が子供のためにしてあげたいと思う気持ちは真剣そのもので、お受けしたからには、そのお気持ちも引き受けて、目をそらさず作業して、結果として、『治してよかった』と心から思っていてだけるピアノに仕上げようと、精一杯作業させて頂きました。

まだ納品まで日があるので、できるだけ調律と整調を重ねて、納品を待ちます!

一旦運送会社さんに引き取られて納品となる、四国中央市へ移動・ヤマハUX50BLの出荷前の最終検品も行いました。

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鍵盤をあげて、入念に掃除をして、

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心を込めて整調、調律、整音を見直しました。
もう動いてないけど、自分がよし!と思えないと、納品はできません。
軽やかなタッチと、パリッとした音で、娘さん、気に入ってくださるといいな♪

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外装ももう一度じっくり見て、これでオッケーです!

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新しい付属品なども用意して、お付けするメトロノームも、確認してみました。
自分の子供の時は、黒とか白とか赤?えんじ?みたいな色しかなかったので、最近のメトロノームは、かわいい色がいっぱいです。好きな水色のメトロノーム、気に入ってくれるかな?

レッスンを始めたてですが、先生にも恵まれて、楽しく通っていらっしゃるようで、お母様も娘さんも、ピアノが来るのを心待ちにしてくださっているようです。
あるべき場所にピアノがおさまって、喜んでくださるといいな。

納品されて

娘さんが帰宅されるちょっと前にピアノが設置場所に運び込まれて、そわそわちらちら、ピアノが運び込まれる様子を見守っていて、設置が完了するのが待ち遠しくて仕方ない様子でした。

娘さんは、新居浜のご実家の搬出のときも、今回も、運送会社の方々にお手紙を書いていたようで、今日担当してくださったうちのおひとりは、搬出も担当だったので、娘さんもお兄さんもお互い覚えてて、なんか心があたたまりました。

素敵なお家にぴったりで、みんながいるところなので、これからメキメキ上手になっていくのを感じられて、みんなが笑顔になるはずです。
設置が完了すると、一目散にピアノの前に行って、びっくりしたような、ふわっとあふれる笑顔でピアノを弾き始めて、みていてほんとにかわいらしかったですし、自然とあふれる本当の表情が、娘さんにとってうれしかったのが伝わってきて、うれしかったです。

そして、その様子をお母様はじわっと目に涙をためて見守っていて、『ピアノもきれいにして頂いて、音もきれいで、ありがとうございます…』と、精一杯お伝えくださって、心からのお言葉が、うれしかったです。

後から知ったのですが、このピアノは亡くなったお父様が買ってくださったもので、お家からピアノが無くなるのが少し寂しそうに仰っていたことや、お母様のピアノへの想いの大きさは、そんなところにもあったようです。
理由を知ってても知らなくても、大きな想いがあるのは見えたので、まっすぐ、ご依頼いただいたお方と弾く方のために作業したので、いまできることはすでてやり切りました。
そのうえで、お聞かせいただいた想いに、後悔ない作業で応えられたと思います。

運送は、時間の指定ができなくて、『ピアノの納品は、一生に一度、あるかないかなので、お子さん方がいるときだといいですね』と言っていて、ちょうどいい時間になったり、雨予報が何とか持ちこたえたり、運のいいお方だな、と思いましたし、ピアノのことにほんとに熱心でいらして、そんなお母様のために天国のおじいちゃんが、力をかしてくれたのかな。

娘さんからは、丁寧な文字で、
『わたしのためにしゅうりしてくれてありがとうございます』

お母様からも、便箋いっぱいにたくさんの想いをこめて、
『柴田さんにお願いして本当によかったです。ありがとうございました』

と、お手紙を頂いて、お心遣いの品まで頂いて、こちらこそ、想いのこもったたくさんのお言葉をありがとうございました。

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娘さんが小学校3年生ということもあり、親近感も沸いて、そしてなにより、最初から細やかに気を配って下さり、大きな信頼を寄せて下さり、ずっとこちらのことを気にかけて下さるお母様に、『自分の今できる全部でお応えしたい』と思って、想いも強く、また、作業そのものも、『娘さんとお母さまが喜んでくださるといいな』と、想いながらほんとに楽しく作業させて頂きました。

これから本格的に習っていく、しかも3年生で、最初は電子ピアノの予定が、ピアノを治して迎え入れるって、相当な理解と覚悟が必要で、お母様もですがご主人様も、『娘さんのために』、と、決断してくださり、天国のおじいちゃんがお母さんに買ってくれたピアノを、お父さんとお母さんが治してくれて、娘さんが弾いていく、そのお手伝いをさせていただいて、ありがとうございました。

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今後ともよろしくお願いいたします!